72回 A問題 問31
難易度:並
- 神経筋接合部における神経終末からのアセチルコリンの遊離抑制
- 神経筋接合部におけるニコチン性アセチルコリン受容体の競合的遮断
- 神経筋接合部におけるニコチン性アセチルコリン受容体の不可逆的遮断
- 筋小胞体からの Ca2+ の遊離抑制
- 脊髄のγ-アミノ酪酸(GABA)受容体刺激
選択肢を吟味しよう!
重要度:☆☆
神経筋接合部における神経終末からのアセチルコリンの遊離抑制
ボツリヌス毒素の作用機序です。
重要度:☆☆
神経筋接合部におけるニコチン性アセチルコリン受容体の競合的遮断
d-ツボクラリン、
パンクロニウムの作用機序です。
重要度:☆☆
神経筋接合部におけるニコチン性アセチルコリン受容体の不可逆的遮断
脱分極性遮断のことなんですかね?
筋弛緩薬における不可逆的遮断という表現は初めてです。
もし脱分極性筋弛緩薬のことならば、
代表的な薬物は「スキサメトニウム」「デカメトニウム」です。
ヘキサメトニウムと混同しないように注意してください!!
ヘキサメトニウムは神経節遮断薬で
「神経型ニコチン受容体(NN受容体)」に働き、
各器官の優位な自律神経作用を抑制します。
引っ掛け問題は作りやすいので覚える必要があります。
ヘキサメトニウムは「サクシニルコリン」とも呼ばれます。
しっかり過去問で出題されています。
「脱ぐのスキ♡」
スキサメトニウムは、脱分極性なのでそのままです。
ヘキサメトニウムはNN受容体に競合的に拮抗する薬物ですから、以上から区別できると思います。
重要度:☆☆
筋小胞体からの Ca2+ の遊離抑制
筋小胞体からのCa分泌が抑制されると、骨格筋は収縮できません。
その結果としての「筋弛緩薬」です。
重要度:☆☆
脊髄のγ-アミノ酪酸(GABA)受容体刺激
バクロフェンの作用機序です。
中枢性筋弛緩薬です。
ちなみに、GABAにはAとBのサブタイプが存在しますが、
バクロフェンはGABAB受容体を刺激し、筋弛緩作用を起こします。
解説
いずれも、筋弛緩薬です。
運動神経からの刺激の伝達を抑制するもの(テトロドトキシン)
受容体への刺激(神経伝達物質)を抑制するもの(ボツリヌス毒素)
骨格筋型ニコチン受容体(NM受容体)への神経伝達物質の結合を阻害するもの(D-ツボクラリン、パンクロニウム)
脱分極を抑制するもの(スキサメトニウム)
カルシウム放出を抑制して、筋収縮を抑制するもの(ダントロレン)
GABA受容体を刺激するもの(バクロフェン)
など様々です。