抗腫瘍薬 まとめ

まとめ

ポイント

抗悪性腫瘍薬とは、、、?

抗腫瘍薬は最終的にDNAの合成を抑制することで細胞増殖止める薬です。

しかし、どのようにDNAの合成を食い止めるのか。そこに様々な薬の特徴や違いが現れてきます。

その違いを見ていきましょう!

大まかな流れ

細胞分裂の流れとしては、左のようになっています。

DNAの素材作り

初めに、DNAを作るための材料を作らねばなりません。プリン体とピリミジン体ですね。

さらに、「葉酸」が必要になります。

DNAの合成

次に前段階で合成した素材をもとに、DNAを複製していきます。

細胞分裂

最終的に2倍体が分裂することにより、細胞が分裂する。

以上、大きく3つのステージがあります。

DNAの材料合成を阻害

詳細な作用機序は、まじで面倒なので覚えなくて良いです。

プリン代謝拮抗薬

「6-メルカプトプリン」を覚えましょう!

プリンとは、「アデニン」「グアニン」です。

ピリミジン代謝拮抗薬

「5-フルオロウラシル」「シトシンアラビノシド」を覚えましょう!

ピリミジンとは、「シトシン」「ウラシル」「チミジン」です。

葉酸代謝拮抗薬

「メトトレキサート」を覚えましょう!

DNAに直接作用

アルキル化により阻害

アルキル化剤である、「シクロホスファミド」はDNAをアルキル化することでDNAの複製を阻害します。

架橋により阻害

白金錯体である、「シスプラチン」「カルボプラチン」はDNAと架橋することでDNAの複製を阻害します。

インターカレーションにより阻害

抗腫瘍性抗生物質である、「ドキソルビシン」「ブレオマイシン」はDNAとインターカレーションしてDNAの複製を阻害します。

DNAの分裂阻害

微小管の合成阻害

ビンカアルカロイドである、「ビンブラスチン」は、細胞分裂に必須のチューブリン(微小管)の合成を阻害することで細胞分裂を阻害します。

最後に

作用機序その詳細名称副作用時期
DNAの
材料合成を阻害
プリン
代謝拮抗
6-メルカプトプリン骨髄抑制
ピリミジン
代謝拮抗
5-フルオロウラシル
シトシンアラビノシド
葉酸代謝拮抗メトトレキサート
DNAに直接作用アルキル化シクロホスファミド
(製品名:エンドキサン)
出血性膀胱炎S期
クロラムブシル骨髄抑制
ロムスチン
架橋
(白金製剤)
シスプラチン(猫:禁忌)
カルボプラチン
腎毒性
聴覚器毒性
インターカレーションドキソルビシン
(製品名:アドリアシン)
心毒性(蓄積)
フリーラジカル

血管外に漏らすな!
ブレオマイシン肺毒性
フリーラジカル
DNAの分裂阻害微小管阻害ビンクリスチン
(製品名:オンコビン)
神経障害M期
分子標的薬細胞間伝達を抑制イマチニブ
トセラニブ
消化器症状
その他L ‐ アスパラギンを分解L ‐ アスパラギナーゼ
(製品名:ロイナーゼ)
急性過敏症
【62-b-59】血管外漏出時の周囲組織傷害作用が最も強い抗腫瘍薬はどれか。
  1. ドキソルビシン(アドリアマイシン)
  2. シクロホスファミド
  3. メトトレキサート
  4. シトシンアラビノシド
  5. L−スパラギナーゼ

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