犬の馬尾症候群に関する記述として適切でないのはどれか。

過去問

71回 B問題 問60

難易度:並

犬の馬尾症候群に関する記述として適切でないのはどれか。
  1. 大型犬での発症が多い。
  2. 通常は膝蓋腱反射が著しく低下する。
  3. 変性性腰仙椎狭窄症は主要な原因の1つである。
  4. 進行すると排尿機能不全を呈することがある。
  5. 外科的治療として背側椎弓切除術が適応となる。

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
大型犬での発症が多い。

そういえば、ウォブラー症候群も大型犬に多かったですね!

重要度:☆☆
通常は膝蓋腱反射が偽性亢進する。

大腿神経は、L4〜L6から出ている神経。
一方で坐骨神経は、L6〜S1から出ている神経です。

馬尾症候群は、坐骨神経が障害されるため膝関節の伸展に拮抗する筋肉が麻痺することになります。すると、膝関節が過大に伸展するだろうと容易に想像ができると思います。

これを膝蓋腱反射の偽性亢進といいます。

ちなみに坐骨神経も評価できる脊髄反射は、以下にまとめます。

  • 前脛骨筋反射
  • 腓腹筋反射
  • 後肢の引っ込め反射

重要度:☆☆☆
変性性腰仙椎狭窄症は主要な原因の1つである。

要するに、椎間板の突出(HansenⅡ型の椎間板ヘルニア)や椎骨の変形(変形性脊椎症)が脊柱管を狭窄させる原因です。

こちらの記事で椎間板ヘルニアについて分かりやすくまとめています。ヘルニアの分類にはHansenⅡ型だけでなくⅠ型も存在します。違いが分かりますか???

重要度:☆☆☆
進行すると排尿機能不全を呈することがある。

正解です。

他にも重要な所見として「尻尾が下がったまま」があります。

重要度:☆☆☆
外科的治療として背側椎弓切除術が適応となる。

頚椎は腹側アプローチ、胸椎・腰椎は片側アプローチ、腰椎・仙椎は背側アプローチです。
これはルールなので、覚えたほうが良いです。

頸部は筋肉もりもりなので、腹側からアプローチするわけですね。