犬の膝蓋骨内方脱臼に対する外科的治療法として適切なのはどれか。

過去問

71回 B問題 問61

難易度:易

犬の膝蓋骨内方脱臼に対する外科的治療法として適切なのはどれか。
  1. 大腿骨頭骨頸切除術
  2. 外側半月切除術
  3. 大腿骨滑車溝形成術
  4. 脛骨粗面転移術
  5. 腓骨頭転移術

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆
大腿骨頭骨頸切除術

大腿骨頭の血流障害により生じる、
「大腿骨頭壊死症」に適応される術式です。

非常に驚くべきことに大腿骨頭を切除しても、
股関節周囲の筋群がサポートしてくれるおかげで歩けるようになります!

ほんとびっくりですわ!

重要度:☆
外側半月切除術

重要度:☆☆☆
大腿骨滑車溝形成術

大腿骨の滑車溝に、膝蓋骨がはまっています。その溝を深くすることで膝蓋骨の脱出を予防する術式です。

重要度:☆☆☆
脛骨粗面転移術

慢性的な膝蓋骨内方脱臼により、脛骨に付着している靭帯も内側に変位しています。付着部である脛骨粗面を転移させることで、再び内側に脱臼することを予防する術式です。

重要度:☆
腓骨頭転移術

解説

膝蓋骨内方脱臼とは

膝蓋骨脱臼のうち、
小型犬では殆どが内方に脱臼します。(脛骨が内側に向くためO脚になります。)
大型犬では外方に脱臼します。(脛骨が外側に向くためX脚になります。)

膝蓋骨内方脱臼の合併症で
前十字靭帯断裂」が生じる場合があります。

その逆として
前十字靭帯断裂によって膝蓋骨が内方に脱臼することもあります。

膝蓋骨内方脱臼にはグレード分類がありますが、
国家試験範囲外でしょうな。一応載せておきます。

グレード分類脱臼の程度整復できるか?
Grade 1手で脱臼可能
Grade 2頻繁に脱臼可能
Grade 3常に脱臼可能
Grade 4常に脱臼可能

前十字靭帯断裂に関する問題はこちらから。

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