急性膵炎で認められる特徴的な超音波像として適当でないのはどれか。

過去問

71回 B問題 問59

難易度:易

急性膵炎で認められる特徴的な超音波像として適当でないのはどれか。
  1. 膵臓の腫大
  2. 膵臓周囲の低エコー源性
  3. 膵臓の低エコー源性
  4. 十二指腸のコルゲートサイン
  5. 膵管の拡張

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
膵臓の腫大

正解です。

重要度:☆
膵臓周囲のエコー源性

炎症が波及しているのでしょうか?膵臓周囲のエコー源性が亢進します。

重要度:☆☆☆
膵臓の低エコー源性

正解です。

重要度:☆☆☆
十二指腸のコルゲートサイン

重要度:☆☆☆
膵管の拡張

解説

急性膵炎とは?

発症の原因は解明されていませんが、発症のリスク因子として「高脂血症」が挙げられます。

症状としては、不定愁訴(元気食欲がない・嘔吐・下痢・腹部痛)なので、他の消化器疾患との鑑別が重要になります。

診断は?

最近は、IDEXX社から「snap cPL & fPL」という膵炎の簡易キットがあるため、膵炎の診断は比較的容易になりましたが、感度がマチマチです。

必ず異物がないか?肝臓は正常か?等々血液検査はもちろんですが、エコーで調べることが重要です。便利な簡易キットゆえ、誤診にならないように総合的に考える必要があります。

犬の場合は、膵右葉は十二指腸に、膵左葉は結腸に並走するように存在しています。急性膵炎を疑う特徴的なエコー所見は以下にまとめました。

  • 膵臓の腫大
  • 膵臓周囲の高エコー化
  • 膵臓の低エコー化

コルゲートサインは、特異的なエコー所見ではないので注意してください。上記の3つがないのにコルゲートサインがあるだけで膵炎と診断するのは無理があります。

治療は、輸液が最も重要です。はっきりとした原因は分かっていませんが、膵臓への血流不足が原因だと言われています。その他は、対症療法的にすすめていきます。

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