消毒液の殺菌効果判定における基準薬剤はどれか。

過去問

71回 B問題 問38

難易度:易

消毒液の殺菌効果判定における基準薬剤はどれか。
  1. グルタルアルデヒド
  2. 次亜塩素酸ナトリウム
  3. イソプロパノール
  4. フェノール
  5. 塩化ベンザルコニウム

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆
グルタルアルデヒド

重要度:☆
次亜塩素酸ナトリウム

重要度:☆
イソプロパノール

重要度:☆☆☆
フェノール

重要度:☆
塩化ベンザルコニウム

解説

石炭酸係数の「石炭酸」が「フェノール」です。

消毒薬 まとめ

細菌真菌ウイルス
エンベロープ
陽性菌陰性菌結核菌芽胞菌酵母糸状菌なしあり
グルタラール有効有効有効有効有効有効有効有効
ホルムアルデヒド
過酸化水素
次亜塩素酸
ナトリウム
微妙
ポピドンヨード
エタノール無効微妙微妙
クレゾール石鹸無効微妙
両性界面活性剤微妙微妙
第4級アンモニウム塩
(塩化ベンザルコニウム)
無効
クロルヘキシジン

紛らわしい名前を克服しよう!

僕らが普段から用いている「ザ・石けん」は陰性の界面活性剤です。これは洗浄力は高いものの殺菌効果が弱いため、消毒に関してはほとんどできないと考えています。

陰性ということは、、、もしかして陽性もあるのか?と思った方は頭がいい。陽性の界面活性剤を「逆性石けん」と言います。逆性石けんになると、洗浄力は弱いものの殺菌効果を持ちます。陰性界面活性剤の逆ですね。

さらに、陰と陽があったら両方を併せ持つ「両性の界面活性剤」も存在します。これは、陰と陽をいいところを合体させた、洗浄力もあるが、殺菌作用もある優秀な界面活性剤になります。

石けん名称別名商品名
界面活性剤陰性ザ・石けん
陽性塩化ベンザルコニウム第四級アンモニウム塩オスバン
両性アルキルジアミンアミノアチルグリシン塩酸塩

クレゾール石けんとは?

クレゾール石けんとは、クレゾールを陰性の界面活性剤であるザ・石鹸と混ぜたものです。
フェノールは水に溶けるものの、クレゾールは水に溶けないため石鹸と混ぜる必要があるんです。

フェノールは石炭酸と同義です。消毒薬の殺菌効力判定に用いられる基準薬剤がフェノール(石炭酸)です。フェノールの効力を1として、ある消毒薬の効力が100ならば、その消毒薬はフェノールと比較して100倍効力が強いということになります。

金属や非金属を消毒できない消毒薬

「ポピドンヨード」は、
消毒の対象物に色をつけてしまうため使用はできません。

生体に用いられる消毒薬

重要なのは中水準でも皮膚だけでなく粘膜で使える「ポピドンヨード」と、
低水準なのに粘膜に用いられない「クロルヘキシジン」です。

「クロルヘキシジン」は商品名:ヒビテンとして臨床の現場で広く用いられています。

踏み込み消毒槽に用いられる消毒薬

「ザ・石けんではない石けん(逆性石けん・両性界面活性剤)」「消石灰液」は「踏み込み消毒槽」に用いられています。特に消石灰液は、有機物(うんこ)があっても効果を失いにくい、安価、さらには家畜伝染病のほとんどをこれで除菌できるため頻繁に用いられます。

唯一「炭疽菌」には消石灰液ではなく、「次亜塩素酸」を用います。

ビルコンとは?

臨床の現場に行くと、ピンク色の消毒薬が2種類あります。一方は生体の皮膚消毒に用いる「クロルヘキシジン(商品名:ヒビテン)」。もう一方は診察台を消毒する「ペルオキソ一硫酸水素カリウム及び塩化ナトリウム(商品名:ビルコン)」です。

ビルコンは、上記の2つの化学反応により「次亜塩素酸」が生じることで消毒効果があります。この合剤により、有機物との反応により生じる塩素ガスをほとんど排出しないようにできるんです!すごすぎる!!!

詳しく知りたい方は、こちらの記事で!

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