犬で高カルシウム血症の原因となる疾患はどれか。

過去問

74回 B問題 問39

難易度:易

犬で高カルシウム血症の原因となる疾患はどれか。
  1. 甲状腺機能低下症
  2. ビタミンA 中毒
  3. 上皮小体機能亢進症
  4. 副腎皮質機能低下症
  5. 慢性肝炎

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆
甲状腺機能低下症

一般的ではありません。

重要度:☆
ビタミンA 中毒

一般的ではありません。

重要度:☆☆☆
上皮小体機能亢進症

上皮小体が分泌する「パラソルモン」により
血中のカルシウム濃度が上昇し高カルシウム血症に陥ります。

重要度:☆☆☆
副腎皮質機能低下症

副腎皮質機能低下症、通称:アジソン病は、
グルココルチコイド(糖質コルチコイド)とアルドステロン(鉱質コルチコイド)の両方を失うものと、グルココルチコイドだけを失う「非定形アジソン病」の2つに分けられます。

アジソン病を放っておくといずれ「アジソンクリーゼ」を引き起こし急死する可能性がある疾患です。

「Na 上昇 & K 低下」はミネラルコルチコイドの減少による症状ですが、
非定形アジソン病ではグルココルチコイドだけの欠乏のため、この症状が出てきません。

アジソン病って、心臓が小さくなるよね?なんで?

結論:ミネラルコルチコイドの減少により、Naを再吸収することができず循環血液量が減少するからです。レントゲンにより小心症が観察されるのは、これによる影響です。

本問の高カルシウム血症は、
グルココルチコイド欠乏により発現する症状です。

重要度:☆
慢性肝炎

一般的ではありません。

詳細と周辺知識

カルシウム濃度がいくら以上であれば、異常なのか?

結論:総カルシウム濃度: 12 mg / dL 超えることを「高カルシウム血症」と呼びます。