73回 必須問題 問40
難易度:易
選択肢を吟味しよう!
重要度:☆☆☆
比重
重要度:☆
pH
尿中のpHは、血中のpHと同期していることが一般的です。血中が酸性のアシドーシス状態では尿中も酸性に傾きます。
仮に血中がアルカリ性に傾くアルカローシスの状況でなくても、膀胱炎が背景にあってグラム陰性菌の産生する物質によりpHが上昇することがあります。
また尿石に関して言えば、酸性尿(pHが低い)で「シュウ酸カルシウム血症」が、アルカリ尿(pHが高い)で「ストルバイト」が生じやすくなります。
重要度:☆
タンパク
尿蛋白の項目には、もう一つUPC(Urine Protein:Creatinine Ratios)があります。
重要度:☆
潜血
潜血なのか、色素タンパク質(ミオグロビン・ヘモグロビン)なのかを判断しましょう!
鑑別は”遠心”すればよく、遠心した上清に色がついている場合には色素タンパク質の存在を疑えますよね!
重要度:☆
ウロビリノーゲン
尿比重
尿比重を調べることで、
腎臓がどれほど濃縮できる能力があるかを判定できます。
将来的に小動物臨床を考えている方は覚えたほうが良いですよ!実際の臨床現場でも、毎日使う知識です。
高比重尿(濃縮尿):濃縮できている!
犬 1.030 <
猫 1.035 <
不完全濃縮尿:やや濃縮能が落ちている。
犬 1.012 〜 1.030
猫 1.012 〜 1.035
腎パネルが上昇している場合は腎臓機能を低下を疑うが、、、そうでないケースも少なくない!
その場合は多飲・多尿の原因疾患をひとつずつ潰していこう!もしかすると腎臓が問題ではないかも、、、
等張尿:再吸収されず、そのまま尿として排出、、、
犬・猫 1.008 〜 1.012
低張尿:水を全く再吸収していない。
低張尿:水を全く再吸収していない。
犬・猫 1.008 >
水分の再吸収を促す「バソプレシン」の分泌が少ない可能性がありますね!
尿沈渣からわかること(円柱)
尿沈渣を調べると、腎臓の状態をより詳細に知るキッカケになることがあるので腎臓に問題を抱えている子にはルーチンの検査として行われます。
中でも「円柱」構造は決して見逃さないようにしましょう!
円柱の腎臓の程度により3種類に分けることが可能です。腎臓の程度が軽いものから列挙すると、以下のようになります。
硝子円柱は腎臓が障害されていなくても出てくるため問題はありません。
顆粒円柱は尿細管上皮が壊死してそこに血球成分が合体し顆粒状になったものをいいます。中でもロウ様円柱は最悪で、重度の壊死が生じ更に長時間の経過によりカチコチに固まったものをいいます。硬いため亀裂が入っているケースがあります。