73回 B問題 問20
難易度:難
アレルギー様食中毒と原因化学物質に関する記述として適切なのはどれか。
- 白身の海産魚で多発する。
- 摂食後 2~3 日で発症する。
- モルガン菌などが産生するトリメチルアミンである。
- ヒスチジンの脱炭酸反応により生成される。
- アナフィラキシーにより重症化することが多い。
選択肢を吟味しよう!
重要度:☆
赤身の海産魚で多発する。
重要度:☆
摂食後 数時間で発症する。
重要度:☆
モルガン菌などが産生するヒスタミンである。
ヒスチジン脱炭酸酵素をもっている細菌には、
低温細菌もいるので冷蔵庫での保存も安全とはいえません!
もし「冷蔵庫の保存により防げる。」
みたいな選択肢があっても惑わされないようにしてくださいね。
重要度:☆
ヒスチジンの脱炭酸反応により生成される。
重要度:☆
アナフィラキシーにより重症化することが多い。
ヒスタミンそのものの摂取過剰によって生じるので、アナフィラキシーとは意味合いが異なります。
解説
しるか!!って感じだと思いますが、
せっかくなので知識として持っておいてください。
化学物質による食中毒
僕らが食中毒ときいて思い出すのは細菌やウイルスによるものだと思いますが、
まさかの食品中に含まれる化学物質が原因のこともあるんです。
その代表例が「ヒスタミン」です。
赤身魚にはその前駆体の「ヒスチジン」が多く含まれていて
微生物によって代謝されることで「ヒスタミン」に変換されます。
赤身魚を常温で放置していた場合、腐敗する過程で多くの「ヒスタミン」が生成されてしまうので、喫食により症状を示します。
アミノ酸の脱炭酸反応が「腐敗」では起こってきます。今回はヒスタミンでしたが、ほかのアミノ酸でも起こりうるので新鮮なうちに消費するのは重要ですね。