併用により吸入麻酔薬の必要量を減量できる薬剤として適当なのはどれか。

過去問

73回 A問題 問74

難易度:並

併用により吸入麻酔薬の必要量を減量できる薬剤として適当なのはどれか。
  1. 鎮痛薬
  2. 筋弛緩薬
  3. 利尿薬
  4. コルチコステロイド
  5. 循環作動薬

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
鎮痛薬

鎮痛薬で有名な「オピオイド」はもちろん、
NSAIDsによってもMAC値は下げられるようですね!

すげぇや!!!

重要度:☆☆☆
筋弛緩薬

へぇ、そうらしいです。

重要度:☆
利尿薬

重要度:☆
コルチコステロイド

重要度:☆
循環作動薬

解説

吸入麻酔薬には「用量依存性」の呼吸循環抑制があります。なので、できるだけ高濃度の使用は避けたいものです。

実は鎮痛薬である「オピオイド」や「NSAIDs」を用いると、吸入薬の濃度が最大半分程度まで減らすことができます。

また吸入麻酔薬は環境汚染物質なので、容量が減らせることは環境にも良いのです!

なんでもかんでも鎮静・鎮痛・麻酔をかければよいのか?といわれれば、答えは否!です。「ASA-PS分類」という全身状態を分類しており、手術前のASA-PS分類と術後は相関すると言われています。以下がその分類です。

ASA-PS分類

  • クラスⅠ 臓器疾患のない正常な動物
  • クラスⅡ 軽度の全身性疾患のある動物

  • クラスⅢ 活動を制限する重度の全身性疾患に罹患しているが、全く動けなくなるような状態ではない動物
  • クラスⅣ 活動できない全身性疾患に罹患し、常に生命が脅かされている動物
  • クラスⅤ 手術の実施に関わらず24時間生存することが期待できない瀕死の動物

緊急手術の場合は全身状態の分類の後に”E”をつけます。

クラスⅢ以上の動物に、安易な鎮静や全身麻酔をかけると心停止、術後の予後に関わってくると言われています。