受傷後、感染創へ移行するまでの時間として最も適当なのはどれか。

過去問

73回 A問題 問73

難易度:難

受傷後、感染創へ移行するまでの時間として最も適当なのはどれか。
  1. 30 分間
  2. 2時間
  3. 6時間
  4. 12 時間
  5. 24 時間

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆
30 分間

重要度:☆
2時間

重要度:☆
6時間

重要度:☆
12 時間

重要度:☆
24 時間

外科視点の傷の治り方

受傷後、感染創へ移行するまでの6時間を「Golden Period」といいます。
この6時間をすぎる前に、適切な創の洗浄、必要に応じたデブリードマンを実施する必要があります。

特に、開放骨折の場合には重要です。
開放骨折に出会った際には、必ず事故した時間を問診で聞く必要ありますね。

一次治癒

もっともキレイな治り方。

メスでの医原性の傷は、一次治癒を目指します。美容整形でも重要な治り方ですよね。

二次治癒

「Golden Period」を過ぎた場合、
異物がある場合は閉創することができないため、縫合せず開放創にして自然と治すことをいいます。

三次治癒

二次治癒のなかで、感染や異物のコントロールができた時点で縫合すること治ることをいいます。

動物の外傷はどうするべきか?

結論:一次治癒を目指すが、キレイに治るかは重要ではない!と考えています。
動物は全身に毛が生えているので、大きな創口でも目立ちにくいですよね。その一方で、早く直したほうが良いに決まってます。

大きな傷口でも、十分な洗浄とデブリードマンで一次治癒が可能なケースもなります。外科的な外傷処置は一次治癒を目指しています。

病理の視点から見た傷の治り方

第1期:炎症期

いわゆる炎症の4徴候があらわれます。さまざまなサイトカインにより、血球はもちろん、膠原線維を分泌する線維芽細胞の遊走も促されます。

第2期:肉芽形成期(増殖期)

線維芽細胞により膠原線維(コラーゲン)が産生されます。

肉芽組織ってなんですか?

結論:毛細血管と細胞成分と膠原線維からなります。

第3期:修復期

毛細血管が退縮、細胞成分がアポトーシスにより消退して膠原線維が大半をしめます。

器質化、線維化、瘢痕化

結論:ニアリーイコールとして考えてよいです。
受験生にとって小さな違いを認識する必要はありません。教科書的にも明記はありませんでした。。。

参考

動物病理学総論 第3版 p85-90

https://www.smu-tisdevreg.jp/wp-content/uploads/2019/01/H30_h2.pdf

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