短頭種気道症候群に関する記述として誤っているのはどれか。

過去問

72回 B問題 問50

難易度:易

短頭種気道症候群に関する記述として誤っているのはどれか。
  1. 呼気性の呼吸困難である。
  2. 非心原性肺水腫を合併することがある。
  3. 症状は外気温が高いと悪化する。
  4. 喉頭の浮腫に対しコルチコステロイドを投与する。
  5. 嘔吐などの消化器症状を併発することが多い。

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
吸気性の呼吸困難である。

上部気道に異常がある場合は、息を吸いにくくなります(「吸気性」の呼吸不全)。上部気道とは、胸腔外の気道のことです。咽喉頭や下部”気管”も含まれます。

息を吸うときは、大気圧より気道内が陰圧になり肺へと空気が流れていきます。そのため大気圧のせいで気道が潰されやすくなります。

一方、下部気道に異常がある場合は息がはきにくくなります(「呼気性」の呼吸不全)がみられます。下部気道とは、胸腔内の気道で気管や気管支ですね。

上部気道下部気道の違いは「胸腔」があるかないかです。

下部気道は胸腔の存在により、上部気道とは変わった挙動をとります。

分かりやすいように呼吸の前提からお話すると、呼吸の始まりは横隔膜の収縮による胸腔の圧力が下がるところからです。この胸腔内の陰圧により肺内部も陰圧になるわけですね。

つまり息をはくときは、胸腔が陰圧なので下部気道は潰れにくくなります。

それでは息をはくときはどうでしょうか?

息をはくときは胸腔が陽圧になるわけですから、気道が潰れやすくなってしまいます。(胸腔が陽圧になって肺を収縮させ、肺内の圧力が大気圧より高くなり、空気が外に逃げていきます)

重要度:☆☆☆
非心原性肺水腫を合併することがある。

たとえば、「敗血症」や「肺炎」等があります。

重要度:☆☆☆
症状は外気温が高いと悪化する。

これはよく分かりません。

重要度:☆☆☆
喉頭の浮腫に対しコルチコステロイドを投与する。

炎症により生じる浮腫であるため、ステロイドで治療が可能らしいです。また、同様の症状が、気管チューブの挿管・抜管時にも生じる場合があるそうです。

重要度:☆☆☆
嘔吐などの消化器症状を併発することが多い。

消化器症状を伴うことは知っておいて損はないと思います。嘔吐による食道炎との関連性があるらしいです。

解説

ここでいう「短頭腫」とは、
パグ、フレンチブルドック、シーズー、ペキニーズ等の鼻の短い犬を言います。

短頭種の呼吸器は、他の犬種と比べて呼吸がしにくいです。

  • 外鼻孔狭窄(空気の入口が狭い)
  • 軟口蓋過長(気道を塞ぐ)
  • 舌が厚い(舌根沈下を起こして気道を閉塞)
  • 気道の低形成(気道の発達障害)

上記の理由から、
短頭種は呼吸をする際(特に吸気)に喉頭に負荷がかかるため、軟骨が変形し更に気道をふさぎます。

このような疾患を「喉頭虚脱」と言います。

寝ている最中に「いびき」をする短頭種は、
すでに喉頭に負荷がかかっているため「喉頭虚脱」のリスクが高くなります。