豚丹毒あるいはその病原体に関する記述として誤っているのはどれか。

過去問

72回 B問題 問32

難易度:難

豚丹毒あるいはその病原体に関する記述として誤っているのはどれか。
  1. ヒトでは汚染食品の摂取により経口感染することが多い。
  2. グラム陽性小桿菌である。
  3. ヒトの疾患は類丹毒と呼ぶ。
  4. 畜舎周囲の土壌や汚水から分離される。
  5. 外見上健康な豚の扁桃から分離されることがある。

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆
ヒトでは創傷感染することが多い。

もっぱら、創傷感染です。獣医師の職業病でもありますね。

重要度:☆☆
グラム陽性小桿菌である。

Erysipelothrix. rhusiopathiaeによる感染症です。

重要度:☆☆
ヒトの疾患は類丹毒と呼ぶ。

重要度:☆☆
畜舎周囲の土壌や汚水から分離される。

重要度:☆☆
外見上健康な豚の扁桃から分離されることがある。

解説

「豚丹毒」には、

「急性敗血症型」
「蕁麻疹型」
「慢性関節炎型」がありますね。

届出伝染病です。

豚丹毒で重要な症状といえば
蕁麻疹型の「菱型疹(ダイアモンド疹)」ですよね。

でも蕁麻疹型は致死率が高くないのですよ。。。

じゃぁ、致死率が高い型は何かというと、、、

もちろん「敗血症型」で、「豚熱(豚コレラ)」「トキソプラズマ症」との類症鑑別が重要になってきます。いずれも「皮膚のチアノーゼ(紫斑)」を示します。覚えてください。

鑑別ポイントは覚えなくても良いでしょう。複雑過ぎます。

蕁麻疹型の「菱型疹」と敗血症型の「紫斑」は異なるので注意です。

ちなみに「豚丹毒」にはワクチンがあるので、発生頭数が少ないと思いきや、、、

豚の届出伝染病の中で最も発生頭数が多いです(令和二年度)。頭の片隅にでも置いてください。