72回 A問題 問15
難易度:易
換気に関する記述として誤っているのはどれか。
- 横隔膜の収縮により胸腔内の内圧は低下する。
- 内肋間筋の収縮により胸腔内の内圧は上昇する。
- 死腔の増加により肺活量は低下する。
- 気管支の収縮により気道抵抗は上昇する。
- 表面活性物質(サーファクタント)は肺胞の表面張力を低下させる。
選択肢を吟味しよう!
重要度:☆☆☆
横隔膜の収縮により胸腔内の内圧は低下する。
正解です。
横隔膜は吸気筋なので、収縮により胸腔内圧は低下します。結果として空気が肺に入り吸気できます。
重要度:☆☆☆
内肋間筋の収縮により胸腔内の内圧は上昇する。
内肋間筋は呼気筋なので、収縮により胸腔内圧は上昇します。結果として空気が大気側に逃げて呼気となります。
実際の呼吸において、呼気筋を用いることは少なく
肺が本来持っている弾性力によって自然に肺は縮んでいきます。
重要度:☆☆☆
死腔の増加により肺活量は変わらない。
肺活量=「予備吸気量」+「一回換気量」+「予備呼気量」です。そのため死腔の増減によって肺活量は変化しません。
死腔が増えるとどうなるの?
結論:ガス交換に寄与しないガスの移動量が増えるため、呼吸はしているのにガス交換はできていない、とんでもない異常事態が起こります。
重要度:☆☆☆
気管支の収縮により気道抵抗は上昇する。
「気管支喘息」では息が吸いづらくなりませんか?
これは気管支が収縮することにより気道抵抗が上昇しているため起こる症状です。いつもどおりの吸気量を確保するために、吸気筋を酷使するのでかなり疲れます。僕自身、喘息持ちだったのでよく分かります。夜寝れません。
気管支拡張薬は、気道の抵抗を低下させているのですね!
重要度:☆☆☆
表面活性物質(サーファクタント)は肺胞の表面張力を低下させる。
肺胞内の表面張力は、内向きの力です。
内向きの力が強くなると、肺胞が潰れてしまうため生体内ではサーファクタントを分泌することで表面張力を低下させ呼吸を容易にしてくれています。
分泌されるのは「Ⅱ型肺胞上皮」です。