X線検査で腹腔内に遊離ガスが認められた場合にまず疑うべき疾患はどれか。

過去問

71回 B問題 問58

難易度:易

X線検査で腹腔内に遊離ガスが認められた場合にまず疑うべき疾患はどれか。
  1. 胆囊粘液囊腫
  2. 壊死性膵炎
  3. 腎盂腎炎
  4. 膀胱炎
  5. 消化管穿孔

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆
胆囊粘液囊腫

胆嚢粘液嚢腫に関しては、こちらにまとめています。

重要度:☆
壊死性膵炎

本問とは関係ないですが、膵臓はX線で評価できない臓器です。

重要度:☆
腎盂腎炎

ほぼ100%、膀胱から上行性に感染します。
腎盂腎炎を疑うときは、膀胱炎が有るかどうかをチェックすることが重要です。

腎盂腎炎に関してはこちらにまとめています。
大動物と小動物では、検出される細菌が異なります。

重要度:☆
膀胱炎

重要度:☆☆
消化管穿孔

解説

小動物臨床をやっていると腸管の疎通を調べるために造影剤を使いたくなる場合が多いですが、

もっとも使われるのは「バリウム」だと思います。

バリウムは「消化管穿孔」により消化管から漏れると疎水性なため腹膜炎を起こす可能性があり使えません。

その消化管穿孔を疑う所見が「腹腔内の遊離ガス」なんですね!

じゃぁ穿孔しているときは?
というと、水溶性ヨード系造影剤を用いることで代替できます。

以下に造影剤に関するまとめを貼っておきます。

消化管造影剤 → 硫酸バリウム or ヨード系造影剤

血管造影・CT → 非イオン性ヨード造影剤

MRI → ガドリニウム造影剤