71回 B問題 問41
難易度:易
選択肢を吟味しよう!
重要度:☆☆☆
タンパク尿
重要度:☆☆☆
浮腫
血中のアルブミンが低下すると、浸透圧の関係で血中から間質の方へと水分が移動していきます。これが浮腫(むくみ)の原因です。
重要度:☆☆☆
高コレステロール血症
この選択肢が重要です。
重要度:☆☆☆
低アルブミン血症
タンパク尿の結果として、血中アルブミンが低下します。
重要度:☆高血糖
低血糖に陥るのは、ファンコニー症候群です。
解説
蛋白漏出性腎症をネフローゼ症候群だと考えて良いです。
要するに、タンパク質を腎臓の糸球体がトラップできず流れ出てしまうために、低アルブミン血症を呈する病態をいいます。
蛋白漏出性腸症 vs 蛋白漏出性腎症
蛋白漏出性腎症はアルブミン(Alb)だけの喪失(終末ではBlobも喪失)、
蛋白漏出性腸症はアルブミン(Alb)とグロブリン(Glob)の両方の喪失がおこる事が多いです。
蛋白漏出性腎症の場合は、尿中にタンパク質(アルブミン)が出てくるため尿検査が必須になります。(UPC 2< & 低アルブミン血症)
蛋白漏出性腎症は病理学的に「糸球体腎炎」「糸球体アミロイドーシス」が考えられます。糸球体腎炎の殆どは自己免疫疾患ですから、腎生検から免疫染色をして診断します。糸球体腎炎は、免疫複合体が関与しているので「Ⅲ型アレルギー」の疾患としても有名ですよね。
またまた糸球体腎炎は二次的にも生じてきます。糸球体腎炎を引き起こす原因疾患は、国家試験までには頭に入れたほうがいいと考えています。
糸球体アミロイドーシスは、病理的な診断が必要です。ポイントは、アミロイドを検出する染色方法である「コンゴレッド染色」ですよね。染色法をとりあえず、頭に入れてください!
慢性腎臓病(CKD) vs 蛋白漏出性腎症
いずれも蛋白尿が見られますよね?実は両者は別のメカニズムで蛋白尿が起こっています。
初めに蛋白漏出性腎症ですが、これは自己免疫が糸球体を傷害することで「糸球体濾過能」が低下することにより蛋白尿が見られます。
一方で慢性腎臓病では、腎間質における「再吸収能」が低下することにより蛋白尿が出現します。慢性腎臓病では「正常な糸球体数が減少」することで、本来排泄されるはずのクレアチニンが上昇するわけです。(UPC:2 >)
その腹水、尿性???
腹水を生化学検査(特にクレアチニン)すると、尿かどうかがわかります。クレアチニンは再吸収されないので尿であれば、クレアチニンが上昇しています。BUNが指標にならないのは、吸収されるからです。