水腫の原因として正しいのはどれか。

過去問

72回 A問題 問38

難易度:易

水腫の原因として正しいのはどれか。
  1. 組織静水圧の上昇
  2. 血漿膠質浸透圧の上昇
  3. 毛細血管静水圧の低下
  4. 毛細血管透過性の亢進
  5. リンパ管の閉塞

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
組織静水圧の低下

組織側の圧力が強ければ、
血漿は血管側に移動します。

シンプルに血漿は静水圧が高い側 → 低い側に移動すると考えてください。

重要度:☆☆☆
血漿膠質浸透圧の低下

血管側の膠質浸透圧が高ければ、
血漿は血管側に引き込まれます。

膠質浸透圧は血漿タンパク質により生じる圧力で、血漿タンパク質が多い(濃度が高い)と膠質浸透圧も高くなります。このとき、血管側と組織側で濃度を均一に保とうとして血漿が移動します。

今回は、膠質浸透圧が上昇しているので、血管内の血漿タンパク質の濃度を低くしようと、組織側から血管側に血漿が移動します。(血圧保持・上昇機構の一つ)

静水圧とは、考え方が異なります。

重要度:☆☆☆
毛細血管静水圧の上昇

血管側の圧力が低ければ、
血漿は血管側に移動します。

重要度:☆☆☆
毛細血管透過性の亢進

正解です。

重要度:☆☆☆
リンパ管の閉塞

リンパ管には間質液を回収するだけでなく、間質からの不要なタンパク質の除去作用も持ち合わせています。リンパ管閉塞に伴って間質にタンパク質が蓄積するようになると、そのタンパク質により組織の膠質浸透圧が生じ血漿を引き込むことになります。

解説

血漿浸透圧を決めるのは「Na」と「グルコース」です。

血漿浸透圧が上がった!ということは、
Naとグルコースのどちらか、
あるいは両方の血管内濃度が上がったことを表します。

体内では代償機能が備わっているため、
血漿浸透圧を低下させよう(濃度を下げよう!)と動くわけなので、、、

血管内に、水分が移動してくるわけですね。

一方で「膠質浸透圧」は血管内の「アルブミン」によって決まります。

以上を簡単にまとめると、

血管内皮を半透膜としたときに
溶質が「Na」「グルコース」ならば、それにより生じる浸透圧を「血漿浸透圧」、
溶質が「アルブミン」ならば「膠質浸透圧」と呼ぶということです。

いずれにしても、血圧を保つ上で重要なシステムです。

この問題も解けるようになってくださいね。