脊髄反射でないのはどれか。

過去問

71回 A問題 問69

難易度:易

脊髄反射でないのはどれか。
  1. 膝蓋腱反射
  2. 会陰反射
  3. ひっこめ反射
  4. 眼瞼反射
  5. 皮筋反射

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
膝蓋腱反射

重要度:☆☆☆
会陰反射

重要度:☆☆☆
ひっこめ反射

重要度:☆☆☆
眼瞼反射

脳神経検査です。関わるのは、顔面の知覚神経の三叉神経と運動神経の顔面神経です。

重要度:☆☆☆
皮筋反射

詳しい解説

脊髄反射とは上位からの神経刺激がなくても、脊髄が中枢となって生じる反射のことです。たった1つのシナプスで反射が起こる(単シナプス反射)ものから、複数のシナプスを経由する反射も存在するようです。

単シナプス反射で有名なのが、「膝蓋腱反射」です。
単シナプス反射を理解するために下記の記事は必須級です。

また、臨床の世界では神経学的検査は超重要。膝蓋腱反射だけでなく、その他の脊髄反射も頭の片隅に入れておくと良いですよ!

脊髄反射はたくさんある。

前肢の脊髄反射

  • 橈骨手根伸筋反射・・・橈骨神経
  • 三頭筋反射・・・橈骨神経
  • 二頭筋反射・・・筋皮神経

後肢の脊髄反射

  • 膝蓋腱反射・・・大腿神経
  • 前脛骨筋反射・・・坐骨神経の腓骨神経
  • 腓腹筋反射・・・坐骨神経の脛骨神経

その他の脊髄反射

  • 引っ込め反射
  • 交叉伸展反射
  • 会陰反射
  • 皮筋反射

※赤色は、再現性が高いので絶対に行う

UMNSとLMNSとは?

神経の病気になると、この脊髄反射が亢進したり、低下したりすることがあります。

一連の運動は、上位運動ニューロンからの命令と、それを受け取る下位運動ニューロンによって成り立っています。上位運動ニューロンからの命令が届かないことによって生じる症状と「上位運動ニューロン兆候」、また上位からの命令を受け取れないことによって生じる症状を「下位運動ニューロン兆候」と言います。

上位運動ニューロン兆候(UMNS)

例えば後肢の運動ニューロンは健在なため下位運動ニューロン兆候は示しませんが、腕神経叢での障害により上位運動ニューロンからの命令が後肢まで届きません。上位運動ニューロンは運動を制御しているため、その制御がなくなることにより、脊髄反射の亢進傾向となります。これを上位運動ニューロン兆候と言います。

下位運動ニューロン兆候(LMNS)

一方、尾側頸部脊椎症(ウォブラー症候群)の場合、腕神経叢(C6〜T2)が障害されます。腕神経叢は、前肢の運動ニューロン(下位運動ニューロン)を含んでいるため、その障害により上位運動ニューロンからの命令を受け取れず、脊髄反射が低下します(下位運動ニューロン兆候)。

このように、脊髄の何処が損傷したかは、脊髄反射の亢進・低下をみれば大体の予想がつくことになります。

MRI検査では、CT検査と違い全身を撮影するのに超時間がかかります。というか全身を撮影しません。つまり、神経学的検査の脊髄反射により、大体の場所を想定してピンポイントでMRI検査することが重要なのです!

類題はこちら。

こちらの問題も重要です。

参考

Bitly