【解剖学・組織学〜循環器〜】これだけ知ってれば国試無双できるんじゃね?!

【科目別】総まとめ

解剖学は複雑で困難がつきまといますが、動物の基本的な構造と機能を理解する鍵となります。

今回の記事では、特に獣医師国家試験に役立つ解剖学の重要なポイントに焦点を当てて実際の試験で問われる可能性の高い知識や、覚えておくべき重要な機能について、分かりやすく詳細に解説します。

この記事を読むことで、解剖学の理解が深まり、試験に向けての自信がつくはずです。

まずは循環器から!一緒に学びましょう!!!

心臓の外観を知ろう!

胸膜と心膜

「臓器を覆う膜なんて、覚えても意味ないじゃないか!」

そんな声が聞こえてきますが、意味は大アリなのです。臨床でメチャクチャ重要な知識になるので、落ち着いてついてきてください。

まずは「胸膜」に関して。胸膜は次の2つの膜で構成されています。

  • 壁側胸膜(心膜胸膜)
  • 臓側胸膜(肺胸膜)

この臓側とは「肺」を示しています。そして2つの膜の間に空間が存在し、この領域を「胸膜腔(胸腔)」といいます。胸膜腔は陰圧になっており、生物が外呼吸するために必要です。

「肺に穴が開きました!」というのは、動物の場合多くは外傷性に壁側胸膜が敗れて胸膜腔の陰圧が解除された状況をいいます。当然陰圧が解除されるため、息を吸うことができません。人間では、臓側胸膜が破れる疾患を「自然気胸」といいますよね。

また、胸膜腔に水が溜まる病態を「胸水貯留」といいます。

Nekoyasiki
Nekoyasiki

肺水腫は肺実質が水浸しになるため、病態は全く異なるので注意が必要です!

胸水とはいいますが、中身は血液だったり漿液だったり、膿だったり様々です。胸水が何なのかを知ることは、その後の治療指針に大きく関わるので「胸水抜去」は必ず行う必要がありますよ!

さて今度は心膜に関して。心膜は線維性の心膜も含めて3層構造になっているため少し複雑です。

  • 線維性心膜(心嚢)
  • 漿膜性心膜
    • 壁側心膜
    • 臓側心膜(心外膜)

特に臓側心膜を”心外膜”といいますよ。

壁側心膜と臓側心膜との間の空間を「心膜腔」といいます。そしてこの心膜腔に水分がたまる病態を「心嚢水貯留」といいます。

心タンポナーデと心嚢水貯留は同義なのか?

結論:同義ではありません。
「心タンポナーデ」という病態は、心嚢内に血液や心膜液がたまって「心臓が広がれない!」状態となります。心タンポナーデに特徴的な病態として「頸静脈の怒張」「低血圧」「心拍音の減弱」があります。

ちなみにこれを「Beckの3徴」と言います。頭の片隅にでもおいておくとカッケェ!ですよ。

心臓の外観