前肢が下位運動ニューロン徴候、後肢が上位運動ニューロン徴候を示す場合に推定される病変部位はどこか。

過去問

74回 A問題 問69

難易度:易

前肢が下位運動ニューロン徴候、後肢が上位運動ニューロン徴候を示す場合に推定される病変部位はどこか。
  1. 小脳
  2. 頸髄頭側
  3. 頸髄尾側から胸髄頭側
  4. 胸髄尾側から腰髄頭側
  5. 腰髄尾側

選択肢を吟味しよう!

解答のポイント:
前肢がLMNSなので、腕神経叢が分布する頸髄〜胸髄の領域が推定されます。UMNSでの評価は鑑別が必要なので着目するポイントはLMNSがどこで起こっているかです。

重要度:☆
小脳

重要度:☆☆
頸髄頭側

重要度:☆☆☆
頸髄尾側から胸髄頭側

重要度:☆☆
胸髄尾側から腰髄頭側

重要度:☆
腰髄尾側

解説

前肢後肢
頸髄 C1〜 5UMNSUMNS
頸髄 C6〜 胸髄 T2LMNSUMNS
胸髄 T3〜 腰髄 L3正常※UMNS
腰髄 L4〜 仙髄 S3正常LMNS
仙髄 S4〜正常正常
UMNS・・・上位運動ニューロン徴候
LMNS・・・下位運動ニューロン徴候

※Schiff-Sherrington(シェフシェリントン)徴候による前肢の過剰”伸展”の可能性があります。
上位運動ニューロン徴候
UMNS
下位運動ニューロン徴候
LMNS
脊髄反射正常〜亢進正常〜低下
筋肉の萎縮の程度廃用性筋萎縮神経原性筋萎縮
筋肉の緊張正常〜亢進正常〜低下

脊髄反射がないから、脊髄疾患は除外できるよね?

結論:除外できません!!!
脊髄反射はあくまで反射経路のうちの病変部位を特定するための検査方法です。当たり前ですが、反射経路を障害しない脊髄疾患も当然ありますよ!