牛の尿膜水腫に関する記述として適切なのはどれか。

良問

73回 B問題 問74

難易度:易

牛の尿膜水腫に関する記述として適切なのはどれか。
  1. 胎盤機能の異常が原因となる。
  2. 妊娠後期に多発する。
  3. 罹患牛を後方から見ると、右膁部が膨満している。
  4. 直腸検査で胎子の生存が確認できる。
  5. 腹腔穿刺により治療する。

選択肢を吟味しよう!

解答のポイント:
選択肢c,d,eは、常識の範囲内で✕にしたいです。
それができてしまえば解答は簡単です。

重要度:☆☆☆
胎盤機能の異常が原因となる。

重要度:☆☆☆
妊娠後期に多発する。

重要度:☆☆☆
罹患牛を後方から見ると、全体が膨満している。

第一胃鼓脹症は、左方のみが膨満します。

全体的な膨満から「迷走神経性消化不良」や単なる「双胎」も考えられますが、
直腸検査で鑑別できます。

重要度:☆☆☆
直腸検査で胎子の生存が確認できない

直腸検査では、胎児は確認できません。
そのかわりに、超音波検査にて胎児の生存確認をします。

重要度:☆☆☆
腹腔穿刺により治療しない

尿膜水腫の特徴としては、妊娠後期の病気なので治療するかどうかは判断が難しいです。
分娩時期が過ぎていたら「帝王切開」するのが良いと考えています。

また、尿膜の過度な水腫により「子宮無力症」の状態になっている場合が多いので、分娩後の「胎盤停滞」も大きな問題になります。そこから「子宮内膜炎」が起こると次回の受胎が遅延する等々の障害も出てくるため産業動物としての価値は低いでしょう。

つまりは治療せずに廃用することも選択肢に1つですよね。。。

詳しい解説と周辺知識