犬の肘関節異形成の病態として誤っているのはどれか。

過去問

73回 B問題 問62

難易度:易

犬の肘関節異形成の病態として誤っているのはどれか。
  1. 内側鉤状突起離断
  2. 肘突起癒合不全(未癒合)
  3. 上腕骨内側上顆の離断性骨軟骨炎
  4. 肘関節の不整合
  5. 先天性肘関節脱臼

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
内側鉤状突起離断

Fragmented Coronoid Process(FCP)と呼ばれます。
尺骨の内側鈎状突起の骨折により生じます。

重要度:☆☆☆
肘突起癒合不全(未癒合)

Ununited Anconeal Process(UAP)と呼ばれています。

橈骨が尺骨に比べて長いために、橈骨と上腕骨との間に癒合不全をおこし、それが肘頭に波及して肘突起の融合不全を起こします。

重要度:☆☆☆
上腕骨内側上顆の離断性骨軟骨炎

OsteoChondritis Disscecans(OCD)と呼ばれています。

尺骨が橈骨に比べて長いために、骨表面が欠け、その骨片が原因で骨軟骨に炎症が生じます。

重要度:☆☆☆
肘関節の不整合

InCongruity(IC)これも尺骨が長いせいで、グラついている状態です。

重要度:☆
先天性肘関節脱臼

解説

肘関節異形成は、「肘関節形成不全」と同義です。いずれも遺伝性疾患で、進行するとDJD(変形性関節炎)を生じる疾患です。

例えば、国家試験で肘関節の写真が出た場合は、だいたいこれです。

診断は、結局CTが良いでしょう。3DでモデリングができるのでX線写真では得られない所見があられる場合があります。