牛の腎盂腎炎に関する記述として適切なのはどれか。

過去問

73回 A問題 問55

難易度:易

牛の腎盂腎炎に関する記述として適切なのはどれか。
  1. Corynebacterium 属菌が主な原因菌である。
  2. 原因菌は尿路から上行性に侵入する。
  3. 血色素尿の排泄がみられる。
  4. 再生不良性貧血が主徴である。
  5. 一般に予後不良であり治療は行われない。

1. a, b 2. a, e 3. b, c 4. c, d 5. d, e


選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
Corynebacterium 属菌が主な原因菌である。

牛の腎盂腎炎の原因菌は、Corynebacterium 属菌(Corynebacterium renale )なんですよ。

一方で、小動物臨床の腎盂腎炎は消化管のグラム陰性菌が大半を占めているためCorynebacterium 属菌ではありません。問題を解くときには、動物種に注意が必要です。

一般的に、腎盂腎炎は雌に多いです。一方雄の場合は細菌性の前立腺炎の結果として発症するケースがあることは重要な知識ですね。

重要度:☆☆☆
原因菌は尿路から上行性に侵入する。

腎盂腎炎は一般的に上行性(尿路から腎臓へ逆行性)に侵入します。血行性は稀です。

重要度:☆☆
血尿の排泄がみられる。

血色素尿だと溶血しているので、異なります。

血色素尿と血尿をどう鑑別するか?

結論:正解は「遠心する」です。遠心すると血球成分は沈殿するので、血漿は透明で赤くありません。一方で、血色素尿の場合は沈殿物がなく血漿が赤く染まります。

重要度:☆☆
再生不良性貧血が主徴ではない

主徴ではなく、腎臓の機能不全により「レニン」の分泌が低下し再生不良性貧血が起こってきたり、そもそも慢性の炎症によっても貧血は起こってきます。

以上のように、貧血は二次的に起こってくるため主徴ではなさそうですね。

重要度:☆☆
一般に予後不良であり治療は行われ

細菌による感染症なので、抗生物質の投与で予後良好です。