牛の亜急性第一胃アシドーシスに関する記述として適切なのはどれか。

良問

73回 B問題 問54

難易度:並

牛の亜急性第一胃アシドーシスに関する記述として適切なのはどれか。
  1. エネルギー不足が主な原因である。
  2. 第一胃液の pH が 5 以下になることが特徴である。
  3. 治療として乳酸リンゲルを輸液する。
  4. 乳量や乳脂率が低下することが多い。
  5. 第一胃パラケラトーシス(第一胃錯角化症)を継発することがある。

1. a, b 2. a, e 3. b, c 4. c, d 5. d, e


選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆
過剰な濃厚飼料が主な原因である。

重要度:☆☆
第一胃液の pH が 5.6 以下になることが特徴である。

諸説あるが、5以下ではない。
僕は、5.6以下で3時間以上の持続により発症リスクが大きいと習いました。

重要度:☆☆
治療として重炭酸ナトリウム経口投与する。

輸液で、乳酸リンゲルは禁忌です。
以内のpH低下が原因なので、重曹で胃内を中和します。

本当にヤバい場合は、胃内を切開して内容物を除去します。

食事管理で予防できる疾患ですから、ウェイトは治療より「予防」が大事です。

重要度:☆☆
乳量や乳脂率が低下することが多い。

重要度:☆☆
第一胃パラケラトーシス(第一胃錯角化症)を継発することがある。

解説

牛を太らせるために重要な濃厚飼料は、食後第一胃内のpHを大きく下げます。正常であれば、徐々に戻ってくる(日内変動)のですが、濃厚飼料を与えすぎることによってpHの低下が持続します。

それによって、本来の第一胃内細菌叢が乱され、結果的に代謝・排泄に時間のかかるD型乳酸ばかりが増え、長期的に牛にダメージを与えます。

この「亜急性第一胃アシドーシス」によって、「第一胃錯角化(パラケラトーシス)」「第四胃変位」や「蹄葉炎」が続発する可能性があることも合わせて覚えてください!

類題で演習しよう!

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