プロプラノロールに関する記述として誤っているのはどれか。

過去問

73回 B問題 問4

難易度:易

プロプラノロールに関する記述として誤っているのはどれか。
  1. βアドレナリン受容体拮抗薬である。
  2. 膜安定化作用を有する。
  3. 高血圧症に使用する。
  4. 気管支喘息に使用する。
  5. 心室性期外収縮に使用する。

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
βアドレナリン受容体拮抗薬である。

重要度:☆☆
膜安定化作用を有する。

Na+チャネルを遮断することにより、局所麻酔薬や抗不整脈薬としての作用持ち合わせているということです。

プロプラノロールは抗不整脈薬の第二群に属していますね。それに加えて第一群の不整脈作用も持つってなわけですね。

他にもβ受容体遮断薬には「内因性交感神経刺激作用(ISA)」を持つ薬剤があります。これは、β受容体を軽く刺激して交感神経を活性化させますよ!って意味です。

は、、、???ですよね。β受容体を遮断する薬なのに、、、だと、、、

つまりは、体で合成されているカテコールアミン(アドレナリンやノルアドレナリン)に対する拮抗作用を持ちながら、自身がβ受容体を刺激することになります。結果として、マイルドなβ受容体遮断作用になるっちゅーことです。めんどくさ、、、

重要度:☆☆☆
高血圧症に使用する。

そりゃそう。

重要度:☆☆☆
気管支喘息に使用しない

気管支はβ受容体によって支配されており、β受容体に刺激が加わることにより気管が拡張します。

つまり、気管を拡張したいならβ受容体刺激薬が必要です。

β受容体選択的遮断薬「アテノロール」とαβ受容体遮断薬「カルベジロール」は小動物臨床の循環器領域でも用いられます。

他にもプロプラノロールと同じように非選択的β受容体遮断薬「チモロール」は、小動物臨床の眼科領域(緑内障の治療のための縮瞳薬)で用いられています。

ちなみにプロプラノロールは、非選択的β受容体遮断薬です。

重要度:☆☆
心室性期外収縮に使用する。

基本的には、経過観察の心電図です。小動物臨床で心電図を測定する機会も少ないと思いますが、、、

補充収縮 vs 期外収縮


心臓は一定のリズムで動いています。期外収縮というのは、本来の来るべきリズムの波形が出るよりも前に異常波形が出ることを言います。期外収縮は異常です。

一方で、補充収縮は本来の来るべきリズムの後に異常波形がでてきます。心臓が動かないために、焦って心臓が一拍してくれるため、本来のリズムの後に来ます。これは、異常と言うより代償機能の1つです。

解説

”プロ”プラノロールは、名の通りβ受容体を「”ブロ”ック」する薬剤です。
薬剤名に「プ」と「ロ」が2セットあるので、イソプロテレノールとは区別できそうです。

イソプロテレノールとの違いに注意してくださいね。