73回 A問題 問32
難易度:並
破傷風またはその病原体に関する記述として適切なのはどれか。
- 筋肉の弛緩性麻痺が特徴的症状である。
- ヒトからヒトへの感染がある。
- 衛生状態の悪い国では新生児の破傷風が問題となっている。
- 弱毒生ワクチンの使用によって予防する。
- 我が国では 2010 年以降患者の死亡例は報告されていない。
選択肢を吟味しよう!
解答のポイント:
破傷風は「 Clostridium tetani 」による細菌感染症です。未だ、死亡者も出ている感染症です。破傷風菌はそこらへんの土の中にいます。
重要度:☆☆☆
筋肉の強直性麻痺が特徴的症状である。
Clostridium botulinum 感染による「ボツリヌス病」が弛緩性麻痺です。
いずれもクロストリジウム属菌なので鑑別に注意してください。
乳児ボツリヌス病が恐い
ボツリヌス毒素は「感染症法」の第二種病原体の毒素として有名ですが、「はちみつ」内のボツリヌス毒素によって赤ちゃんの「乳児ボツリヌス症」が起こる可能性があります。
食品衛生の観点からも、重要な細菌感染症なので絶対に覚えてください。
重要度:☆☆☆
ヒトからヒトへの感染がない。
重要度:☆☆
衛生状態の悪い国では新生児の破傷風が問題となっている。
重要度:☆☆☆
トキソイドワクチンの使用によって予防する。
グラム陽性菌の毒素はタンパク質なので、熱に弱いです。
がしかし!クロストリジウム属は芽胞菌なので、菌そのものが熱に耐性を持っています。
ちなみにトキソイドワクチンで予防する感染症を以下にまとめました。
重要度:☆☆☆
我が国では 2010 年以降患者の死亡例は報告されている。
いまだ、死亡例があります。