犬の胸部X線撮影法に関する記述として適当なのはどれか。

過去問

73回 A問題 問72

難易度:易

犬の胸部X線撮影法に関する記述として適当なのはどれか。
  1. 最大呼気時に撮影する。
  2. 動物とグリッドの間に X 線フィルムをセットする。
  3. X 線の照射域を広くすると散乱線が減少する。
  4. 左肺に病変があるときは右下横臥位で撮影する。
  5. 管電圧を増加させると被写体のコントラストが強くなる。

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
最大吸気時に撮影する。

胸部レントゲンの場合は、
胸郭が一番広がったタイミングで撮影するのがベストですよね。

呼吸器の異常があった場合は、

最大呼気と最大吸気の二枚撮影し、
それぞれの気管・主気管支の状態を比較したりはしますよ!

重要度:☆☆☆
動物とグリッドの間に X線フィルムをセットする。

グリットとは、散乱X線を除くための板です。

構造を説明すると、

照射X線と散乱X線を除去するための「鉛」、
X線を通す「中間物質」が交互に配列して一枚の板になっています。

X線写真は、中間物質を通ったX線により完成します。
その途中また、跳ね返った散乱X線を鉛が吸収してくれるわけですね。

X線写真を取るときは、防護服を着よう!!!

X線室に入るときは、防護服を身に着けます。その防護服は何から身を守っているのでしょうか?

実は防護服は、照射されるX線から身を守っているのではなく、その途中で発生する散乱X線から身を守るものです。問題の選択肢にもなりそうなので覚えておくと良いですよ!

重要度:☆☆☆
X 線の照射域を広くすると散乱線が増加する。

X線の照射域を広くすると散乱線が増加するため、
獣医師が望む視野(胸部・腹部)に絞って照射域を設定します。

自分の欲しい範囲だけに絞って撮影できると獣医師としてカッコいいですよね。

重要度:☆☆☆
左肺に病変があるときは右下横臥位で撮影する。

右下横臥位が「RL(right-lateral)」、左下横臥位が「LL(left-lateral)」です。X線の照射される場所に近いほど観察しやすいため、左肺を見たいときはRLで撮影します。

重要度:☆☆☆
管電圧を増加させると被写体のコントラストが弱くなる。

管電圧を増加させると、物理学的にエネルギーが高まるため高出力になります。

イメージしてもらえればわかりますが、レントゲン写真を強すぎる出力で撮影すると、X線がすべて透過して真っ黒の写真ができあがります。

「コントラストが強い」とは、いわば白黒がよりはっきり認識できることなので、コントラストは弱くなりますね。