犬と猫の疾患時の栄養管理に関する記述として適切でないのはどれか。

良問

72回 B問題 問46

難易度:易

犬と猫の疾患時の栄養管理に関する記述として適切でないのはどれか。
  1. 食欲不振時は経静脈栄養が治療の第一選択である。
  2. 栄養要求量は安静時エネルギー要求量をもとに算出する。
  3. 絶食は絨毛の萎縮や消化管吸収障害をもたらす。
  4. 慢性的な栄養失調状態の猫では肝リピドーシスを生じる。
  5. 犬の慢性膵炎では低脂肪食の給与が望ましい。

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆
食欲不振時は経腸栄養が治療の第一選択である。

重要度:☆☆
栄養要求量は安静時エネルギー要求量をもとに算出する。

安静時エネルギー(RER)= 70 × (体重)0.75

で計算できます。

重要度:☆☆
絶食は絨毛の萎縮や消化管吸収障害をもたらす。

重要度:☆☆☆
慢性的な栄養失調状態の猫では肝リピドーシスを生じる。

この選択肢は、めちゃくちゃ重要です。

重要度:☆☆☆
犬の慢性膵炎では低脂肪食の給与が望ましい。

この選択肢も重要です。

解説

栄養の供給法は「経腸栄養」「静脈栄養」に分かれます。

腸管は機能しているか

腸管は機能しているものの、食欲不振や嚥下困難で自ら食事を取れない場合、「経腸栄養」が選択されます。

一方、腸管機能が機能していない場合は「経静脈栄養」が選択されます。

栄養供給の期間は?

経腸栄養の場合は、栄養供給の期間に応じて選択が変わります。

長期間の経腸栄養が必要な場合は、「胃瘻チューブ」「腸瘻チューブ」が選択されます。直接胃や腸にチューブを挿入するということですな。

一方短期間の場合は、鼻からの「経鼻チューブ」が選択されます。

強制給餌

選択肢としては、もう一つ「強制給餌」も考えられます。