犬の四肢の骨肉腫に関する記述として適切なのはどれか。

過去問

71回 B問題 問68

難易度:並

犬の四肢の骨肉腫に関する記述として適切なのはどれか。
  1. 小型犬に好発する。
  2. 遠隔転移は稀である。
  3. 大腿骨では遠位に発生することが多い。
  4. X線検査で確定診断を下すことが可能である。
  5. 断脚手術のみで予後は良好である。

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆
大型犬に好発する。

重要度:☆☆
遠隔転移は稀ではない

骨肉腫による「肺転移」が重要で、けっして稀ではないです。

骨肉腫の特徴として「関節を超えない!」というのが重要です。

重要度:☆☆
大腿骨では遠位に発生することが多い。

大腿骨の遠位、脛骨の近位 → 膝関節付近に発生が多い。
上腕骨の近位、橈尺骨の遠位 → 肘関節から離れた肩関節・手根関節に発生が多い。

重要度:☆☆
X線検査で確定診断を下すことが可能である。

特徴的な所見として「サンバースト」があります。

重要度:☆☆☆
断脚手術のみで予後は良好ではない

断脚しても生存期間中央値が半年未満、一年生存率が10%程度です。やばすぎるな。。。

解説

骨肉腫とは?

骨肉腫とは、大型犬に発生することが多い骨原発性の腫瘍です。骨軟骨腫瘍のうち約90%が「骨肉腫」です。腫瘍全体としても10%程度と割と多いです。

臨床兆候として、跛行・腫脹・疼痛がありますが、疼痛は重度だと言われています。
好発年齢としては、1〜2歳、8〜10歳の二相性なので、特に若い場合は「汎骨炎」との鑑別が重要です。

骨肉腫の特徴としては、肘から遠く、膝に近い骨端で発生しやすいですが関節を超えないのが特徴です。転移性の骨腫瘍(肺性肥大性骨症)や、「汎骨炎」は骨幹部におこりやすいので、レントゲン検査である程度の鑑別はできそうです。