犬の外傷性眼球脱出に関する記述として適切でないのはどれか。

過去問

71回 B問題 問51

難易度:並

犬の外傷性眼球脱出に関する記述として適切でないのはどれか。
  1. 短頭種で生じやすい。
  2. 時間の経過とともに結膜浮腫が重度になる。
  3. 緊急性が高いため無麻酔で強く押し込む。
  4. 視神経が障害されることがある。
  5. 外眼筋が断裂することがある。

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆
短頭種で生じやすい。

そうそう!

重要度:☆☆
時間の経過とともに結膜浮腫が重度になる。

なんで結膜が浮腫ってくるのでしょうか?だれか教えて下さい。

重要度:☆☆
緊急性が高いため無麻酔で強く押し込む。

理由が明確ではないので、自分の意見を言うと、、、

眼球を強く押し込むのには力がいるため痛みを伴います。その中で動物がおとなしくしているかどうかも疑問ですもんね。そのため麻酔をかけ、鎮痛・不動化・筋弛緩を得られた状態で修復するのだと思います。

重要度:☆☆
視神経が障害されることがある。

そりゃそうやな。

重要度:☆☆
外眼筋が断裂することがある。

そういった場合もあるだろう。

解説

外傷性の眼球脱出の後発犬種は、眼窩が浅い「短頭種」です。

病態は?

眼球運動には6本の筋肉が関わっていますが、そのうち「内側直筋」は一番短いため最も断裂しやすいらしいです。つまりは、内側からの眼球保持が解除されるため、眼球は「外側」に飛び出るということになります。

予後は?

一番のポイントは、術後目は見えるのか?ということですが、、、

犬で64%、猫で100%の確率で失明するというデータがあります。

術前に間接対光反射があったり、眼球の随意運動がある場合を除いては、手術しても予後は良くないだろうと思います。

治療は?

視覚が残る可能性がある場合は、外眼角(目尻)を切開して、眼瞼を縫合します。目尻を切開することで眼球突出整復の成功率が高くなるそうですよ!!!

一方で、「これは無理だな」という場合には「眼球摘出」が一般的だと思います。

本問の間違いのように強く押し込むことは絶対にしません。笑