犬の赤血球増加症の鑑別に用いる検査として適当でないのはどれか。

過去問

71回 B問題 問49

難易度:易

犬の赤血球増加症の鑑別に用いる検査として適当でないのはどれか。
  1. 血中エリスロポエチン濃度の測定
  2. 血中エストロジェン濃度の測定
  3. 血液ガス分析
  4. 腎臓の超音波検査
  5. 骨髄検査

選択肢を吟味しよう!

赤血球増加症には、骨髄疾患による「真性(一次性)赤血球増加症」と、骨髄の造血機能を亢進させる原因疾患による「二次性赤血球増加症」があります。

そして、脱水による、相対的な赤血球増加症ですね。触診で「皮膚つまみ test」を行ったり、血液検査項目の「AlB(アルブミン)」や「BUN(尿素窒素)」の増加も合わせて調べると良いでしょう!

重要度:☆☆☆
血中エリスロポエチン濃度の測定

腎臓から分泌される「レニン」
というホルモンによって二次性の赤血球増加症が生じます。

重要度:☆☆☆
血中エストロジェン濃度の測定

過剰なエストロジェンの分泌は、
「骨髄抑制」を起こして赤血球は減少、貧血になることが多いです。

代表的な病気で「セルトリ細胞腫」が重要です。

精巣腫瘍に関しては、こちらの記事で。

重要度:☆☆☆
血液ガス分析

低酸素血症が、二次性赤血球増加症につながることがあります。
低酸素血症になる病態を考えると心疾患や、肺疾患の有無をしっかり問診、聴診で確認する必要がありますよね!

重要度:☆☆☆
腎臓の超音波検査

腎臓腫瘍に随伴して、レニンの分泌過剰により、
二次性赤血球増加症につながることがあります。

腎臓機能が低下する、いわゆる「慢性腎不全」ではレニンの分泌低下による貧血が頻繁に起きます。

ケアレスミスや勘違いを起こしやすい部分なので注意してください!

重要度:☆☆☆
骨髄検査

真性赤血球増加症を否定するために重要な検査です。