犬の特発性腸リンパ管拡張症に対する療法食として適切なのはどれか。

過去問

71回 B問題 問46

難易度:易

犬の特発性腸リンパ管拡張症に対する療法食として適切なのはどれか。
  1. 低脂肪食
  2. 低タンパク食
  3. 低炭水化物食
  4. 高繊維食
  5. 低アレルギー食

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
低脂肪食

重要度:☆
低タンパク食

重要度:☆
低炭水化物食

重要度:☆
高繊維食

重要度:☆
低アレルギー食

解説

腸リンパ管拡張症は「リンパ管の通過障害」により蛋白を漏出させてしまう病気です。

いまだその病態生理学は明確ではなく、殆どは「特発性」となります。
つまり治療は、対症療法しかないことになりますね。

この蛋白を血中に保持できない病態を「蛋白漏出性腸症」と言いますが、他の疾患によってもこの病態は起こりえます!以下に、蛋白漏出性腸症を起こす疾患をまとめます。

  • 腸リンパ管拡張症
  • 炎症性腸症(IBD)

脂質はリンパ管還流を増加させるため、リンパ管の拡張が助長させるため「低脂肪食」にする必要があるわけです。

蛋白漏出性の疾患

蛋白漏出性の疾患としては、腎臓からの蛋白排出が増える「蛋白漏出性腎症」と腸からの蛋白漏出が増える「蛋白漏出性腸症」があります。上記ふたつを、比較的簡単に鑑別する方法があるので共有します。

蛋白漏出性腎症の場合は、タンパク質でもAlb(アルブミン)だけの低下が多いです。Glob(グロブリン)はAlb(アルブミン)より分子量が大きいので糸球体の基底膜を超えることができません。

一方で、蛋白漏出性腸症の場合は、Glob(グロブリン)とAlb(アルブミン)の漏出が同時に起こります。