71回 B問題 問47
難易度:易
選択肢を吟味しよう!
重要度:☆☆☆
主に犬で認められる疾患である。
重要度:☆☆☆
副腎皮質機能亢進症との関連が示唆されている。
重要度:☆☆☆
診断には超音波検査が最も有用である。
肝臓は肋骨内に収まっていて胆嚢は肝臓の右葉側にあるので、
右側肋骨周囲を探せば見つかります。
重要度:☆☆☆
細菌感染により生じ、通常抗菌薬の投与により治癒できない。
抗菌薬の投与で治癒できたら、サイコーなんですが、、、
重要度:☆☆☆
外科的治療法として胆囊摘出術が行われる。
解説
胆嚢粘液嚢腫とは?
疾患名のように、胆嚢内に粘液が粘膜側から内腔に向かって溜まってきます。「胆泥」と粘液とゴッチャにしている学生が多いですが、全く違うものです。
原因は?
原因は、はっきりしていません。が、「脂質代謝異常」「甲状腺機能低下症」「副腎皮質機能亢進症」が優位に関連があるとの報告があります。
脂質代謝異常の多い、「シェットランド・シープドック」や「ミニチュア・シュナウザー」がまさしく胆嚢粘液嚢腫の好発犬種なんです。
診断は?
超音波画像では、粘液が無エコー、胆泥が高エコーとして描出されます。とくに、粘膜に無エコー性の構造物が見えたら初期の「胆嚢粘液嚢腫」である可能性が高いです。症状はなくても、経過を追って超音波検査をする必要がありますね。
胆泥症とは完全に異なるので注意してください。胆泥が溜まってた!はい異常!摘出しましょう!は間違いです。必ず、症状・血液検査等も含めて総合的に解釈する必要があります。
一方で猫ではどうでしょうか?
猫で胆泥が溜まっていた!は異常です。猫は胆泥を貯めない生き物なので、猫で胆泥を見つけた場合は肝胆道系疾患が隠れている場合があります。
犬と異なり、見つけたらラッキーですね!
治療法は?
一般的には、外科的に摘出することにより治療します。予後良好です。