71回 A問題 問73
難易度:易
- 胸髄
- 頸髄
- 内耳
- 小脳
- 大脳
1. a, b 2. a, e 3. b, c 4. c, d 5. d, e
選択肢を吟味しよう!
重要度:☆
胸髄
重要度:☆
頸髄
重要度:☆☆☆
内耳
重要度:☆☆☆
小脳
重要度:☆
大脳
捻転斜頸 vs 頭位回旋
どちらも似たような症状に見えますが、疑う病変が異なるので注意してください!
両者の違いは、それぞれ以下にまとめますが、共通点を始めにおさえましょう。
両者の共通点として「病変がある向き・方向に」頭をかしげたり、頭を向けます。
頭位回旋(head turn)とは?
頭位回旋は大脳の障害により生じます。
左向きに頭が回旋しているとき、左側に障害があるということになります。左側の脳は、右目から入った情報(右側の世界)を統合しています。それが障害されますから、左目から入った情報(正常な右側の脳で)だけにしか興味を示しません。
そのため、頭部は左側に回旋します。
場合によっては、左方向に大回りの「旋回」することもあります。
捻転斜頸(head tilt)とは?
捻転斜頸とは、頭を正面から見たときに「眼の位置がずれる(地面と水平ではない)」ことをいいます。
一般的に、捻転斜頸は病変と同側に現れますが(右側に斜頸している場合は右側が病変側)、、、
病変が小脳側にまで及んでいる場合は反対側に病変があることもあるため、問診では判断できません。
捻転斜頸を見つけた場合は、
神経学的検査として「頭位変換」「眼球の動き(眼振)」も同時に調べましょう。
眼振があるなら前庭疾患!
眼振とは?
眼振(特に水平眼振・垂直眼振)には、「急速相」と「緩徐相」が存在します。
「緩徐相」の方向が病変側となります。
例えば、水平性の眼振で
内側方向に緩徐に移動し、外側方向に急速に戻っている状況では、
内側方向が病変測になります。

急速相は、いわば代償性の眼振だよ!
病的に寄っていった眼球を、代償的・生理的にもとに戻しているのが急速相ということなんですね。
中枢性と末梢性の鑑別点
中枢性前庭疾患 | 末梢性前庭疾患 | ||
---|---|---|---|
責任病変 | 脳幹 or 小脳 | 内耳神経(Ⅶ) | |
眼振 | 垂直 | ● | ー |
水平 | ● | ● | |
回転 | ● | ● | |
捻転斜頸 | ● | ● | |
ホルネル症候群 | ー | ● | |
固有位置感覚(CP) | 消失 | 正常 | |
意識状態 | 低下傾向 | 正常 |

一般的に小脳に病変がある場合の意識状態は正常です。しかし、病変部位が脳幹になってくると意識状態が低下してきますよ!