副腎皮質ホルモンに関する記述として誤っているのはどれか。

過去問

71回 A問題 問18

難易度:易

副腎皮質ホルモンに関する記述として誤っているのはどれか。
  1. ステロイド骨格をもつ。
  2. コルチゾールは束状帯で生成される。
  3. アルドステロンは球状帯で生成される。
  4. アルドステロン分泌はレニン・アンギオテンシン系により調節される。
  5. 糖質コルチコイドの分泌は下垂体後葉ホルモンによって調節される。

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
ステロイド骨格をもつ。

重要度:☆☆☆
コルチゾールは束状帯で生成される。

重要度:☆☆☆
アルドステロンは球状帯で生成される。

「電球で即答」

  • 電 → 電解質コルチコイド
  • 球 → 球状体
  • 即 → 束状帯
  • 答 → 糖質コルチコイド

重要度:☆☆☆
アルドステロン分泌はレニン・アンギオテンシン系により調節される。

重要度:☆☆☆
糖質コルチコイドの分泌は下垂体前葉ホルモンによって調節される。

ACTHですね。

内分泌疾患で有名なのはクッシング症候群を診断するための手法はいくつかあるので紹介します。重要なのは、「ACTH刺激試験」「LDDST」「HDDST」の3つです。

「ACTH刺激試験」では、ACTHの分泌最大能を評価しています。本当に簡単に言うと、ここでコルチゾールが低値の場合は「アジソン病」、高値の場合は「クッシング症候群」となります。

次は「LDDST」です。低用量のデキサメタゾンを投与して下垂体からのACTH分泌抑制が効くかどうかを評価しています。正常であれば、デキサメタゾンによってACTH分泌抑制されて低値を示します。

「HDDST」では、高用量のデキサメタゾンを投与して強制的に下垂体からのACTH分泌を抑制させます。

高用量のデキサメタゾンでもコルチゾールが高い場合は、ACTH分泌が抑制されているのに制御できていないので副腎そのものが悪い、副腎性副腎皮質機能亢進症(ADH)となります。一方でしっかりACTH分泌が抑制されたら下垂体性副腎皮質機能亢進症(PDH)ということになります。

解説

副腎皮質ホルモンの機能・生理学等は、選択肢の吟味で十分です。

副腎皮質ホルモンの位置付けは、下記の図から。

小動物臨床でのステロイドは超重要です。

ステロイドというと、「プレドニゾロン」と「デキサメタゾン」です。
いずれもステロイドの中では作用が弱めです。

大体ステロイドっていうと「プレドニゾロン」が多い気がします。