リンパ小節(リンパ濾胞)が認められないのはどれか。

過去問

71回 A問題 問12

難易度:並

リンパ小節(リンパ濾胞)が認められないのはどれか。
  1. ファブリキウス囊(排泄腔囊)
  2. 胸腺
  3. 血リンパ節
  4. パイエル板
  5. 口蓋扁桃

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
ファブリキウス囊(排泄腔囊)

鳥類に特有の総排泄腔の背側にみられる一次リンパ組織です。

重要度:☆
胸腺

胸腺はリンパ管の出入りもないしリンパ濾胞ももたず、「T細胞の教育組織」として機能しています。

重要度:☆☆
血リンパ節

反芻類にのみ存在する特有のリンパ器官です。この組織もリンパ管の出入りがありませんが、血液と連絡しています。

「血リンパ節」と「”出血”リンパ節」は区別する必要があります。

”出血”リンパ節」は、周囲の出血によりリンパ節内に赤血球が入ってくる異常事態です。一方で「血リンパ節」は血液と連絡しているため赤血球が存在しているだけなので至って正常です。

重要度:☆☆☆
パイエル板

重要度:☆☆☆
口蓋扁桃

膿栓、いわゆる臭い玉が溜まる部分です。

解説

リンパ濾胞とはリンパ節の皮質に存在する”Bリンパ球の集会場”みたいな部分です。これを一次濾胞といい抗原刺激を待っている状態です。

そこに抗原刺激が入ると、
そこで「胚中心」を形成して二次濾胞を作ります。

この二次濾胞で、B細胞の成熟が起こり、
髄質に移動して「形質細胞」となるわけです。

空・回腸に存在する「パイエル板」は、
複数のリンパ濾胞が集まった「集合リンパ小節」と呼ばれます。

リンパ節とほぼ同じように、抗体産生まで行われます。

一般的な「リンパ節」との違いは、
被膜がなく境界が不明瞭であること。
リンパ管からではなく濾胞関連上皮からの粘膜上の抗原に対する免疫応答することです。

さてさて濾胞関連上皮(FAE)には「M細胞」ってのがいます。
こいつは、抗原の取り込みに特化した優秀な細胞です。

この細胞がいるおかげで、パイエル板が免疫器官として機能できています。