薬の体内動態に関する記述として適切なのはどれか。

過去問

75回 A問題 問25

難易度:並

薬の体内動態に関する記述として適切なのはどれか。
  1. 促進拡散による薬の細胞膜通過は ATP を必要とする輸送である。
  2. 塩基性の薬は体液中の pH が高いほど細胞膜を透過しやすい。
  3. 酸性の薬は血漿中のアルブミンと結合しやすい。
  4. 血管から組織に移行しにくい薬は分布容積が 1 L/kg 以上となる。
  5. P糖タンパク質は細胞内に入った薬を核内へ移行させる。

1. a, b 2. a, e 3. b, c 4. c, d 5. d, e


選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
促進拡散による薬の細胞膜通過は ATP を必要としない輸送である。

重要度:☆☆☆
塩基性の薬は体液中の pH が高いほど細胞膜を透過しやすい。

重要度:☆☆☆
酸性の薬は血漿中のアルブミンと結合しやすい。

薬物の運搬役は「アルブミン」です。アルブミンと薬物が”可逆的に”結合し、全身に回ります。残念なことにアルブミンは間質に出られないため、薬物が作用するためにはアルブミンフリーになる必要があります。

ワルファリンとの併用が推奨されないのはなぜ?

結論:ワルファリンはアルブミンとの結合力が強いからです。

併用された薬剤は、アルブミンへの結合率が低下します。結合していない薬物は容易に間質→細胞内へ進み作用が強くなったり、予期せぬ副作用が生じる可能性があります。

重要度:☆☆☆
血管から組織に移行しにくい薬は分布容積が 1 L/kg 以下となる。

重要度:☆☆☆
P糖タンパク質は細胞内に入った薬を細胞外へ移行させる。

体内動態に関して深ぼってみよう!

物質の輸送に関して