獣医師国家試験 合格に向けて

勉強法

半分解ければ、合格!

はじめにいいます。
国家試験に合格レベルは高くないです。

合格要件

「必須問題70%(35問/ 50問)の得点」
&
「A・B・C・D問題の合計60%(168問/ 280問)の得点」

これは要するに
A・B・C・Dの半分を確実に得点できれば、
残りの問題は勘でも合格できるということになります。

A・B問題はそれぞれ80問、
C・D問題はそれぞれ60問の計280問なので、

半分の140問を確実に取れれば、
残り140問を勘でも正答率20%(出題形式は、いずれも5択)で合計168点(得点率60%)で合格できるといった理屈です。

しかもですよ?
わからない問題でも、必ず選択肢の1つや2つ削除できます。
そうなると更に勘でも得点できる確率はあがります。

こう考えればどうでしょう?
意外と簡単なんだな!って思いませんか?

必須問題をどうするか?!


必須問題の最初5〜6問は勉強しなくても一般的な倫理観で解けます。
勝負はそれ以外の45問、およそ67%(30問/45問)得点すればクリア出来ます。

うっかりミスを含めて15問も失点できます

必須問題は、理解力より単純な「暗記力」を試してきます。
理解するのに必死で、単純な暗記から逃げていると思わぬ失点を招きます。

教科書に書いていることを片っ端から覚えていくのは不可能ですから、ポイントはこのブログで伝えていきます。

対処法は当然「幅広い知識を身に付ける」ことになります。
過去問のA・B問題と必須問題で重複している部分から暗記していくのが効率的です。

敵を知ろう

出題形式の比重

獣医師国家試験の構成は、
先程も書いたとおり「必須・A・B・C・D問題」となっています。

必須問題を基礎とするなら、A・B・C・D問題は応用問題と言えるでしょう。

応用問題のA・B・C・D問題は難易度にばらつきがあり、

基本的にはA・B問題が一般的な5択問題で標準的、
C・D問題が画像問題で難易度が高めとなっています。

ここからが戦略です、、、

国家試験のボーナスステージを知ろう

A・B問題は、合計160問、
C・D問題は、合計120問なので、

C・D問題での1点はA・B問題だと1.3点になります。

言うならば「A・B問題はボーナスステージ」です。

このA・B問題で多めに得点しておくと、
2日目のC・D問題で気持ちが楽になるのでメンタル的にもとっても良いです。

以上から、優先するべきはA・B問題です。

C・D問題の対策をどうするか?


C問題は「画像と知識がリンクしているか」、
D問題は「画像を言語化」できるかを試しています。

写真、画像などの客観的な情報からの判断が必要なので、
単なる暗記から一歩進んだ、いわば応用問題になります。

例えば、
「このイラストは、イエバエである」という解釈も
「この所見はAという病気である」という解釈も、受験生の知識から生じます。

要するに応用問題とはいえ結局は知識勝負なので、
普段の勉強から画像も知識の一つとして覚えていくことが対策になります。

教科書に乗っている画像を自分の知識とリンクさせる作業もA・B問題演習のついでに行いましょう!そうしておけば、直前期に焦る必要はありません。

科目の比重

獣医国家試験に出題される科目は、およそ20科目程度もあります。

その20科目全てが同じ難易度、同じ問題量だと思いきや!!!実はそうではありません。

科目によっては、ほとんど出題されない科目があり、、、
科目によっては、難易度が高すぎる科目があったりとさまざまです。

勉強すべき科目は?

勉強するべき科目は「感染症学」「薬理学」「大動物内科・外科」「小動物内科・外科」です。

いずれの問題も、
勉強すれば結果にすぐに結びつくコスパ最強の科目です。

この科目は、暗記から逃げてはいけません。

「感染症学」は、一番初めに勉強すべき科目です。
なんせ、病名、原因微生物、その症状、特徴的な病理初見等々、を学べます。

「感染症学」を学ぶことで、
科目と科目に架け橋ができるので、ネットワークが広がり問題が解きやすくなります。

「薬理学」は、近年難易度が下がっている傾向にあります。
勉強量は多いですが、点数に直結するのでオススメです。

臨床系の、特に「大動物の内科・外科」が重要です。
小動物に比べて病気が少ないので、楽に点が稼げます。

以上の科目は、割と簡単に成果が出るのでオススメです!!

しかしながら、これら分野の問題を間違ってしまうと圧倒的に不利なので不合格になる可能性が高まります。

「うっかりミスは絶対に許されません。

勉強してはいけない科目は?

反対に勉強してはいけない科目は「生化学」「実験動物学」です。

これらの科目は毎年出題されますが、たった数問なので勉強に対する効果が悪すぎます。
暇な人だけ勉強して下さい。

生化学は、似た名前の酵素がいるし、カタカナが多いし、一つの分子の役割が多すぎたり、要するに複雑すぎるので、マジで時間の無駄です。

勉強しすぎては行けない科目は?

以下に上げる科目は、問題数は多いが難易度に波があり、最低限覚えれば一定の得点はできるが、難易度が高い問題まで得点しようとするとコスパが悪くなってドツボにハマる、調整の難しい問題です。最悪、簡単な問題まで失点する可能性があります。

その科目は、「解剖学」「寄生虫学」「生理学」です。

「解剖学」の、「骨」「筋肉」は捨てる一方で「内臓系一般」は勉強するべきです。内臓系は、組織、その発生も勉強すると解剖分野の半分は得点出来ます。解剖学は、国家試験一発目、A問題の第一問から始まります。ここで面食らうと後に影響が出るので、「骨」「筋肉」は捨てる代わりに「組織・発生学」はしっかり勉強すべきかと思います。

「生理学」は、臨床科目の土台になるので、「内科・外科」とその治療「薬理学」とセットで勉強すると良いですね。

しかし、生理現象を深く理解しようとすると膨大な時間がかかるため、コスパがよくありません。はじめは、臨床や薬理に関わるところから優先して勉強して、「は??どうゆうこと??」となるような部分があっても深追いせず、70%程度の理解でも十分です。

本当に疑問に思ったときは、僕にコメントしても良いですし、国試が終わってから自分でゆっくり調べて下さい。

「寄生虫学」は、「吸虫」「条虫」はしっかり勉強すべきです。「線虫」は種類が多いですし、複雑なので、感染経路、虫卵、糞便からどの状態で排出されるかなどに絞って勉強すべきです。

線虫をガチで勉強しても、複雑過ぎて、試験中こんがらがるので止めたほうが無難です。

勉強方法

勉強するべき科目を上記に伝えましたが、
いきなり、教科書から勉強を始めるのはさすがに効率が悪いです。

じゃぁ何を使うか、、、

用意するもの

用意するのは、
「まとめ資料」「獣医師国家試験の過去問」だけです。

まとめ資料は、何でも良いです。
自分の気に入るものを使って下さい。

国家試験の過去問は、以下に無料で上がっています。
各自アイパッドにダウンロードするなり、印刷するなり自由に使って下さい。

完全に宣伝ですが、当ブログで、
各科目のまとめ記事、獣医国家試験の解説記事を随時アップしています。参考にしてみて下さい。

さらに、獣医国家試験の過去問を解ける無料アプリを作りました。
是非どうぞ!

過去問の使い方

ずばり過去問は演習用です。

さっさと始める

過去問は「噛めば噛むほど味が出る」素晴らしい教材です。

そんな問題を放っておくのはもったいないので今すぐに過去問を解き始めてください!

「自分にはまだ早い」
「過去問は最後までとっておきたい」
「ある程度の知識を入れてから解きたい」

言いたいことは理解できますが、効率的ではありません。

過去問から始めると、問題になっている部分を覚えるため無駄なく合格へ近づきます。

また「答えを覚えてしまいそう!」

っていう意見もありますが、10年分も勉強すると意外と忘れています。
びっくりするくらい何度も間違える問題がありますから、気にする必要はまったくありません。

1年度、全部解く

科目毎に解くのは、後回し。
すべての年度の過去問をまず一周通しで解いてみて下さい。

この方法の良さは、国家試験の全体的なレベルが分かると言う点です。

勉強のコスパが良い科目でも難しい問題があったり、、、
本来絶対に覚えるべきキーワードに関する問題でも選択肢によっては必要以上に悩んだり、、、
生化学のように勉強しなくていい科目でも、常識で解ける問題があったり、、、

と、

国家試験はいい意味でも悪い意味でも期待を外してきます。

そんな状況の中、
簡単な問題を確実に、
難しい問題でも選択肢を絞って点数を拾って合格点にもっていくこと

は本番さながらの練習になります。

これをはじめにするかどうかで、
今後の方針が変わってくるので「通しで一年分解く」のはメッチャ重要です。

解く ⇔ まとめを確認

はじめから完璧に解ける人はいません。
必ず解けなかった問題やあやふやな問題が出てきます。

そのような問題は一つ一つ「まとめ資料」で確認して下さい。

過去問を解く ⇔ まとめを確認するの往復、が知識を広げるために必要な作業です。

何もない所から課題を見つける事は不可能です。
過去問を問くと、あなたに課題が生まれます。

その課題を一つずつ潰していくのが国家試験合格への最短ルートです。

あくまでも、過去問がですよ。

類題を探そう

自分の苦手な分野や、
何回やっても覚えられない分野が上記の作業でだいたい分かってきます。

そうしたら次のステップ、類題を探しましょう。

僕の作ったアプリでは、類題の検索が出来ます!!

キーワードを打ち込むだけで、それを含む問題がリスト形式で表示されます。効率バク上がりです。さらにその問題の保存ができ、ストックを溜めておくことが出来ますよ。

苦手分野の類題を演習して、
自分の得た知識とそのアウトプットが通用するか確認して下さい。

繰り返す

重要なのは「繰り返す」ことです。
簡単な問題でも忘れてしまうことがよく起こります。これはマジで。実体験なんです。

慢心せずに、足元をみて!簡単な問題も定期的に解いて記憶のメンテナンスをしてあげて下さい。

最終的には、いかに”簡単な問題を確実に解くか”が重要になってきます。
簡単な問題を失点すると、難しい問題で取り返すしかないので徐々に無理ゲーになっていきます。

まとめの使い方

まとめは「全体像をつかむ」「確認用」ために使用します。

単体で使う

過去問の使い方の部分で話しましたが、
知識の確認・チェックのために何度もまとめ資料を使用します。

その度に、分厚いまとめから知りたい部分を調べていたら、探すだけで時間が過ぎていってしまいます。

対策として「科目毎にINDEX」を貼ってください。
「INDEXを貼る」ことの便利さは後々ボディブローのように実感できます。

そして、「全体像を把握する」ことも後々便利です。
ざっくり何がどこらへんに書いているのかパラッと眺めておくのは意外に効果があります。

「今日は気分が乗らないなぁ。」
「なんかダルいなぁ。」

って時に、試してください。

国家試験では、上記に書いたとおり科目のウェイトが変わりますので、一番はじめのページから勉強するのではなく、優先順位を考えて下さい。

過去問と併用して使う

過去問を解いて、まとめに戻ってきたら必ずその分野全体を確認して下さい。

例えば、消化器に作用する薬の問題だったら、選択肢に含まれてない薬も一緒に確認する。
といった感じです。

以下の図を見れば分かるように、
容易な問題の周辺は必ず覚えるべきです。

国家試験には、基本的には同じ問題は出ません。問題になっている部分を覚えることは、あくまで最低限です。

上記の「勉強スべき科目」に関しては周辺もしっかり覚えることで、得点源にでき得点が安定してきます。

よくある間違い

ここでは、よくある勉強法の間違いを紹介していきます。
獣医師国家試験に合格したいのなら、以下のことは絶対に避けるように注意して下さい。

勉強しない日を作る

合格したいなら、毎日勉強して下さい。あなたは受験生です。

「まぁ1日ぐらい勉強しなくていいかっ」
という日を一回でも作ると、今後もどんどんサボり癖がついてきます。

受験勉強みたいに、死に物狂いで勉強する必要はありませんが、何かしら毎日覚えて下さい。

流石に10分程度は時間取れますよね?

参考までに僕のタイムスケジュールは以下に示すとおりです。
意外と充実しています。

国家試験の勉強時間は、同時に学生最後の自由時間でもあります。

彼女・友人と遊ぶのもよし
一人の時間を楽しむのもよし
他の勉強をするのも大賛成

後悔のない、学生生活を送りましょう!

すべてを完璧に覚える

大学の期末試験とは大きく異なり、国家試験の問題は「5択の選択式」です。

選択問題はそれぞれの選択肢を完璧に理解できなくても、

一発で正答が分かる問題
消去法である程度絞れる問題

が多いため、隅から隅までを正確に覚える必要はありません。
適当に選んでも、期待値的に2割も解けてしまいます。

広く浅く主眼において勉強しよう!

もちろん、正確に覚える必要があるものは、
当ブログの解説にて指示しています。

いつまでも一人で勉強する

理由は2つあります。

1つ目は、
範囲が広すぎて一人で勉強するのはキツイ!
からです。

過去問を勉強するとして10年分、さらにはまとめも使用するとなると効率的に行っても量が多すぎる問題に直面します。「卒論」を書かなきゃいけないので、勉強のスタートが早くても11月から。流石に終わりません。

対策は「友人と分担する」が良いです。

科目ごとに分担するでもいいですし、過去問の解説を分担するでも良いです。
それでお互いに教えあって下さい。すると、教えた側はより記憶に定着するし、教えられた側は理解できます。

2つ目は、
人によって覚えやすいことが違う
からです。

自分にとっては難しいことでも、友人はすんなり覚えていたりします。
その覚え方のコツであったり、考え方を共有することで一層知識に深みがつきます。

注意ですが、何も覚えていない状況で友人と勉強するのはやめて下さい。
友人とは知識を共有するわけなので、共有する知識がないと、ただお喋りして終わりです。

一緒に勉強するとしても、一週間に1〜2回程度。友人と会う日以外は、とことん勉強してください。

難しい問題とガチで向き合う

勉強していると、

「こんな知識、習った覚えがない!」
「解けるわけがないだろうが!」
といった具合に感情が表に出るような問題にぶち当たることがあります。

そんな問題は捨てても大丈夫かもしれません。

国家試験は、難しい問題(みんなが正解できない問題)を解いて合格する試験ではなく、みんなが得点しやすい簡単な問題をいかに間違えずに拾っていけるかにかかっています。

難しい問題に悩む時間はありません。

勉強不足の場合は、
本来知っておくべきなのに捨て問にしてしまう可能性もあります。

なので、上記にも書いたように誰か他の人に聞いてみましょう。

僕が運営している当ブログでは、問題の難易度を評価しています。

国家試験を余裕で合格した僕が、どの問題を簡単と思い、どの問題を捨てたのかは、一つの目安になるだろうと思います。ぜひ参考までに。。。

さらに合格確率を上げるなら

山を張らない

試験が近づいてくると、国家試験を作成する先生が判明し、おそらく出題されるであろう分野の情報が回ってきます。

その情報に影響を受けて山を張るのは止めて下さい。普通に裏切ってきます。ガチです。

たぶんですが、各先生が数問ずつ問題を作り、
それを委員会が精査してそのうちの一部を出題しているのだと思います。

国家試験は、本当に幅広く出題されます。

「は!?こんなことも出題されるの??」
は当たり前に起こります。まったく予想できません。きっとあなたが受ける国家試験にも、、、ね。

あなたはきっと、キツイ思いをして定期テストに望んできたのだと思います。ほんのちょっとの刺激で思い出すこともできるので、まとめを普段からパラパラ眺めるのは結構役立ちます。

卒業試験とは違う

一般的な私立獣医大学では「卒業試験」なるものが存在します。

いわゆる、大学の先生が重要だとポイントを中心に出題される「卒業がかかった国試模試」です。

「卒業試験に余裕で合格したから国試は勉強しなくてもいいや」は、完全に間違いです。

残念ながら、卒業試験と国家試験は、傾向が異なります。

国家試験のほうが簡単だ!と先生方はいいますが

国家試験も難しいですよ笑

国家試験の出題者は毎年、変わりますから当然です。

慢心せずに、国家試験の過去問も勉強するに限ります。まぁ卒業試験に受かれば、自信につながるので良いですけども。

最後に

この記事を読んだ中には、

「そんな簡単に言うな!」
「お前の頭がいいだけだろ!」

みたいなことを思っている方はいると思いますが、それも良いでしょう。

そんな方の力にもなれるよう、

各科目の詳しい勉強方法や覚え方、科目と科目の架け橋になる知識、小動物臨床における実体験など、国家試験に役立つ情報を当ブログにアップしていきます!

また僕の作成したスマホアプリはともかく、
さらに皆さんの力になれるようなサービスを現在立ち上げ中です。

今年度獣医師国家試験を受験する皆様の合格を、心より願っております。