抗心不全薬
強心薬を使用する目的は「心臓を動かして、全身に血液を送る(心拍出量を増やす)」ことになります。
心臓が送り出す血液量を増やすためには、次の2つのパラメータがあります。
① 心臓に速く動いてもらう「スピード」
② 心臓に強い収縮をしてもらう「パワー」
それを踏まえた上で、以下の強心薬を覚えましょう!
抗心不全薬

心拍数も、心収縮力も”バク上げ⤴”すれば良いの?

よくないよ!
心拍出量を増やして血液を巡らせるのが本来の目的だけど、心臓が過剰に動いてしまうと相当な酸素を消費することになるわけさ。。。
急性期やOPE中はさておき、慢性心不全時にはできるだけ心臓に負荷をかけないことが重要だね!
強心配糖体
強心配糖体
「ジゴキシン」は、「Na+・K+ – ATPase」を阻害することで細胞内のNa+濃度を増やします。すると細胞内外の Na+ 濃度勾配が減少し「Na+ – Ca2+ 交換輸送」による Ca2+ 排泄が低下し、細胞内濃度が増加、結果として心臓の収縮力を増やします。
同時に迷走神経を増強することで心拍数を低下させます。
「スピード」を減らして、「パワー」を増やす
カテコールアミン類
| 作用 | ドパミン | ドブタミン | アドレナリン | ノルアドレナリン |
|---|---|---|---|---|
| 心拍数 | ↑ | ↓ | ||
| 心拍出量 | やや↑ | |||
| 血管収縮 | ↑ | |||
| 血圧 | ↑ |
ホスホジエステラーゼ阻害薬
以下の薬はcAMPを分解する「ホスホ ジエステラーゼ」を阻害することでcAMP が上昇、結果心収縮力を上げます。「キサンチン誘導体」は有名なホスホジエステラーゼ阻害薬ではありますが、気管支拡張薬として使われているような気がします。
「ピモベンダン」は心筋の収縮タンパク質であるトロポニンのカルシウム感受性を高める作用によって、さらに心収縮力を増やせます。
ホスホ ジエステラーゼ 阻害薬
心臓負荷軽減薬
心臓負荷軽減薬 まとめ
「利尿薬」に関しては別記事にて解説しますね!
「ACE阻害薬」「ARB」「血管拡張薬」に関しては以下の記事で解説していますよ!
抗不整脈薬
不整脈は「頻脈性不整脈」と「徐脈性不整脈」の2つに分けられます。
一般的に薬理学で習う治療薬は、「頻脈性不整脈」を対象に使用するものばかりです。過剰な頻脈は、血液を送れないことになるので全身循環不全として心原性ショックに陥る可能性があって治療の必要があります。
抗不整脈薬がやっていることは、
イオン(Na+、K+、Ca2+)の移動を制限して活動電位を起こしにくくすることです。
そうすることで、過剰な電気刺激が起こりにくくなり不整脈を抑制することができます。

じゃぁさ!徐脈性の抗不整脈薬の治療には、逆に神経活動を優位にさせる薬を使うってこと?
もしかして、副交感神経を抑制させればいいのかな?

さすが!その通り!!!
みなさんもご存知の「アトロピン」が徐脈性不整脈の治療に使えます!
以下の表は絶対に覚えましょう!
| 抗不整脈薬の分類 | 作用部位 | 代表薬 | |
|---|---|---|---|
| 第Ⅰ群 | Ⅰa | Na+チャネル | キニジン・プロカインアミド |
| Ⅰb | リドカイン | ||
| Ⅰc | フレカイニド | ||
| 第Ⅱ群 | β受容体拮抗 | プロプラノロール | |
| 第Ⅲ群 | K+チャネル | アミオダロン | |
| 第Ⅳ群 | Ca2+チャネル | ベラパミル・ジルチアゼム | |
血管拡張薬
代表的な血管拡張薬
「アムロジピン」は血管選択性にカルシウムチャネルを拮抗し、血管拡張作用を引き起こします。
抗不整脈薬である「ジルチアゼム」「ベラパミル」は心臓にも作用し陰性変力作用を引き起こす点で異なっています。
呼吸作用薬
呼吸興奮薬
「呼吸刺激薬」は、中枢性と末梢性に分けられます。
呼吸を制御しているのは、延髄に存在する「呼吸中枢」です。使用する目的はもちろん呼吸停止への対処です。
呼吸興奮薬
鎮咳薬
呼吸に中枢があるように、咳にも中枢が存在します。ややこしいことに、中枢性にはさらに、麻薬性と非麻薬性があるので注意しましょう!
臨床の現場では使用することがありません。
鎮咳薬

咳止めはもっぱら「気管支拡張薬」かなぁ
適応外使用ではあるけど「ブトルファノール」や「マロピタント」を咳止めとして使用することがあるよ!結構優秀なんだよね!
気管支拡張薬
気管支拡張薬には、以下のように種類があります。
気管支拡張薬
循環器 毒性物質
循環器 毒性物質
比較的臨床の現場で有名なのは「ドキソルビシン」だと考えられます。
リンパ腫の治療を始め、血管肉腫にも使用される「ドキソルビシン」には心毒性があるので、心エコーや心電図検査は積極的に行うべきだと思います。
「テルフェナジン」は抗アレルギー薬として知られますが、獣医臨床では使用しません。
呼吸器毒性物質
呼吸器 毒性物質
「パラコート」は除草剤として使用されていましたが、経口暴露により肺に到達すると、活性酸素種により排外障害されてしまいいます。
この反応は酸化還元反応なので、呼吸によって酸素が送られてくるほどに障害される超厄介な毒物です。
「アスベスト」はかつて断熱材として使用されていました。
「アスベスト」は先の尖った超微細な鉱物なので、呼吸器系の細部にまでの到達して粘膜に突き刺さり、炎症を引き起こします。
明確な機序はわかっていませんが「悪性中皮腫」の原因とされています。



