疾患とその治療薬の組合せで適切なのはどれか。

良問

74回 B問題 問3

難易度:易

疾患とその治療薬の組合せで適切なのはどれか。
  1. 胃潰瘍 ― イブプロフェン
  2. 気管支喘息 ― テオフィリン
  3. 副腎皮質機能亢進症 ― フルドロコルチゾン
  4. 甲状腺機能低下症 ― メチマゾール
  5. 緑内障 ― ブチルスコポラミン

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
胃潰瘍 ― 制酸薬

NSAIDsは、一般的にCOXを阻害することにより抗炎症作用を起こします。

抑制されるプロスタグランジンには、胃粘膜保護に働くもの(PGE)があるため副作用として「胃潰瘍・びらん」が生じる可能性があります。

胃潰瘍の際にNSAIDsを飲ませるのは、適当ではありません。

重要度:☆☆☆
気管支喘息 ― テオフィリン

PDE阻害によりcAMPが増加し交感神経を刺激することで気管支を拡張させます。

重要度:☆☆☆
副腎皮質機能亢進症 ― トリロスタン

副腎皮質機能亢進症によって、体内で産生が増えるのは基本的に「糖質コルチコイド」です。

その状態で、合成糖質コルチコイド(フルドロコルチゾン)を飲ませるのは適当ではありません。重複しています。

他にも、副腎を不可逆的に破壊する「ミトタン( o,pʼ-DDD )」も一緒に覚えましょう!

重要度:☆☆☆
甲状腺機能低下症 ― サイロキシン(チロキシン)

メチマゾールは、甲状腺機能亢進症の際に使用される抗甲状腺剤です。

甲状腺のペルオキシダーゼを阻害することにより、ヨウ素のサイログロブリンへの結合を阻止し、さらにヨードサイロシンのトリヨードサイロニン(T3)、サイロキシン (T4)への縮合を阻害することによって甲状腺ホルモンの生成を阻害します。

重要度:☆☆
緑内障 ― ブチルスコポラミン

ブチルスコポラミンは、抗コリン薬です。

交感神経が亢進してしまうと、血圧が上がり、眼圧があがり、
また、散瞳することで隅角(眼房水の流出路でいわば逃げ道)が狭まります。

緑内障を悪化させる可能性があるため、禁忌です。

緑内障の治療薬には種類があり、治療薬であっても状況によっては禁忌になる薬物もあるため明言は避けます。