扁平上皮化生のみられる疾患と器官・組織の組合せとして正しいのはどれか。

過去問

74回 A問題 問44

難易度:難

扁平上皮化生のみられる疾患と器官・組織の組合せとして正しいのはどれか。
  1. 犬のセルトリ細胞腫 ― 前立腺
  2. 犬伝染性肝炎 ― 胆囊
  3. 犬の乳腺混合腫瘍 ― 腫瘍自体
  4. 犬ジステンパー ― 肺
  5. Lawsonia intracellularis 感染症 ― 回腸

選択肢を吟味しよう!

種々の上皮組織にしばしば認められる扁平上皮化生 squamous metaplasia は、円柱上皮や移行上皮が、重層扁平上皮にかわることを指し,普通は可逆的変化である。犬のセルトリー細胞腫では、エストロジェンが過剰に産生された結果,前立腺で特徴的な扁平上皮化生が認められる。また,乳腺癌や肺腺癌では腫瘍内に扁平上皮化生がしばしば発現し、部分的に扁平上皮癌の形態を示すことがある(図4-4).これは、上皮組織が癌化の過程で幼若な多能性の細胞を生じ,これが分化の方向を変じた増生として、扁平上皮癌に似た腫瘍成分を生じたためと考えられる。また,肺胞の炎症や線維化が起こると、扁平な呼吸上皮(1型肺胞上皮)が大型の立方上皮(II型肺胞上皮)にかわることがあり腺様化生glandular metaplasia または立方上皮化生 cuboidalcell metaplasia と呼ばれる。これは肺胞上皮の再生の一過程であり、扁平上皮が立方上皮にかわったわけではない。この変化は犬ジステンパー肺炎やアカゲザルのSIV感染の肺炎でしばしば認められる.

動物病理学総論 第3版 p66 – 67

重要度:☆☆
犬のセルトリ細胞腫 ― 前立腺

前立腺腺房上皮の扁平上皮化生が生じる。

獣医病理学各論 第二版 p301

重要度:☆
犬伝染性肝炎 ― 胆囊

重要度:☆
犬の乳腺混合腫瘍 ― 間質成分

筋上皮由来腫瘍細胞の化成であると考えられている。

獣医病理学各論 第二版 p301

重要度:☆
犬ジステンパー ― 肺胞上皮

重要度:☆
Lawsonia intracellularis 感染症 ― 回腸