72回 B問題 問55
難易度:並
選択肢を吟味しよう!
解答のポイント:
選択肢1が分かれば、消去法的に正解できます。
乳熱も重要な知識なので覚えてください!
重要度:☆☆☆
病原菌は通性嫌気性グラム陰性桿菌である。
腸内細菌科ですから、通性嫌気性(酸素があってもなくても可)のグラム陰性桿菌です。
重要度:☆☆☆
経口感染により伝播する。
重要度:☆☆☆
成牛では主に腸炎を起こす。
重要度:☆治療は行わず殺処分される。
牛のサルモネラ症での殺処分は一般的ではありません。
一方で、
鶏の家禽サルモネラ感染症では、
治療を行わず摘発淘汰されます。
また一般的なサルモネラ菌は運動性(鞭毛あり)で硫化水素を産生します。
DHL寒天培地やTSI培地が黒くなるってのを知っている方も多いでしょう。
しかし、、、
家禽サルモネラ感染症の原因菌である、
「Salmonella Pullorum 」 及び 「Salmonella Gallinarum 」も硫化水素を産生しません。
さらに運動性も持たないサルモネラ菌です。
ちなみに届出伝染病である「馬のパラチフス」の原因菌である「Salmonella Abortusequi 」も硫化水素を産生しません。
重要度:☆☆☆
分娩前にカルシウム剤を経口投与することが予防となる。
「乳熱(急性低カルシウム血症)」の分娩前に行う予防法だと思います。
乳熱とは、分娩後の乳牛で起こりやすく、生理的な低カルシウム血症に伴って意識低下・弛緩麻痺を主徴とする無熱性の起立困難症をいいます。
乳熱の治療にはカルシウム剤の”経口”投与を行います。
潜在的に低カルシウム血症がある場合は、ケトーシスや第四胃変位・胎盤停滞等の周産期疾患の誘引にもなるため、飼料中のCa濃度やP濃度を調整して与えることが予防になります。
ただし!!!
静脈投与や高用量のカルシウム給餌だと血中カルシウム濃度が必要以上に高くなり、生体反応によりカルシウム濃度を下げるように働くため、逆に乳熱になりやすくなるため注意が必要です。