重症筋無力症の診断に用いる検査として適切なのはどれか。

過去問

71回 A問題 問66

難易度:易

重症筋無力症の診断に用いる検査として適切なのはどれか。
  1. 直接クームス試験
  2. 抗 2M 型筋線維抗体検査
  3. 抗アセチルコリン受容体抗体検査
  4. リウマチ因子検査
  5. 抗核抗体検査

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆
直接クームス試験

免疫介在性溶血性貧血」の診断に用いられます。

直接クームス試験とは、赤血球に結合した抗体の存在を検査する試験です。これで陽性(赤血球が凝集)だと、赤血球に抗体が付着していることが証明されます。

直接があるなら、、、間接があったりして、、、

そう!あります!!

一間接クームス試験とは、血球ではなくその血清中にどんな抗体が入っているかを検査する試験です。単純に陽性かどうかを調べるのではなく、どんな抗体が入っているのかを判別するものです。

小動物では、間接クームス試験を実施するのは聞いたことがありません。僕は覚えなくて良いと思いますが、、、笑

一般的に自己抗体が赤血球を攻撃しているってのが、免疫介在性溶血性貧血の病態ですが、、、まれに血小板も同時に攻撃するエバンス症候群も起こりえます。一緒に覚えておくと良いでしょう!

重要度:☆
抗 2M 型筋線維抗体検査

「咀嚼筋炎」の診断に用いられます。

重要度:☆☆☆
抗アセチルコリン受容体抗体検査

重要度:☆
リウマチ因子検査

「関節リウマチ」の診断に用いられます。

重要度:☆
抗核抗体検査

「全身性エリテマトーデス」の診断に用いられます。

解説

検査法に関する問題ですね。重症筋無力症は、珍しい疾患ですが有名なので覚えるべきです。

重症筋無力症とは?

重症筋無力症とは、神-経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己免疫性疾患です。最も一般的な症状は「巨大食道症(MG)」を伴う全身の虚脱です。また「胸腺腫」に罹患しているワンちゃんの約20%にMGが見られたとの報告があります。

また極稀にですが、「甲状腺機能低下症」「副腎皮質機能低下症(アジソン)」によってもMGが起こるらしいので、ホルモン疾患の除外はしておく必要がありますね。

歩行検査をすると、歩いても持続できないので、すぐ座るを繰り返します。

診断は?

診断は、「テンシロンテスト」が有名です。用いられる薬剤の塩化エドロホニウムは、抗コリンエステラーゼ阻害薬のため、投与によって短時間だけ運動が持続するようになります。

他にも、抗アセチルコリン受容体に対する自己抗体を測定する方法もあります。