【獣医師国家試験】E:細胞膜を介する物質輸送

まとめ

本記事は、獣医師国家試験の出題基準を一から解説する一大プロジェクトの第5弾「細胞膜を介する物質輸送」です。

細胞膜の性質

細胞膜に関しては、以下から閲覧してください。

細胞膜を介した物質の輸送

薬が細胞内で作用するためには「細胞膜」を通過する必要があります。細胞膜を介した物質輸送には以下のように2つのタイプがあります。

物質輸送のタイプ

  • 単純拡散 ー 細胞膜をそのまま素通り
  • 担体輸送 ー 輸送担体を利用
    • 受動輸送
    • 能動輸送

単純拡散

単純拡散」は細胞膜をそのまま素通りする輸送になります。

細胞膜は「脂質二重層」で構成されているため、
水溶性の高い物質(イオン型)は透過しにくく、脂溶性の物質(分子型)はそのまま濃度勾配に従って細胞膜を通過できます

Nekoyasiki
Nekoyasiki

ガスも単純拡散するよ!
肺胞でのガス交換は典型的な例だよね!

また水溶性の薬物は”周囲の環境”によって「イオン型(解離型)」と「分子型(”非”解離型)」のどちらかの状態にあり、その比率は「酸解離指数(pKa)」と「体液の pH」に依存した「Henderson – Hasselbalchの式」によって決まります。

Henderson – Hasselbalchの式

  • 酸性物質の場合

\[
\mathrm{pH} – \mathrm{p}K_a = \log \left( \frac{[\text{解離型}]}{[\text{非解離型}]} \right)
\]

  • 塩基性物質の場合

\[
\mathrm{pH} – \mathrm{p}K_a = \log \left( \frac{[\text{非解離型}]}{[\text{解離型}]} \right)
\]

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