本記事は、獣医師国家試験の出題基準を一から解説する一大プロジェクトの第5弾「細胞膜を介する物質輸送」です。
細胞膜の性質
細胞膜に関しては、以下から閲覧してください。
担体輸送〔能動輸送、促通〈促進〉拡散〕
上記のように細胞膜には「膜タンパク質」が存在し、単純拡散できない物質を細胞内に出し入れするために機能しています。これを「担体輸送」といいます。
単純拡散できない物質を輸送するために、「受動輸送」と「能動輸送」の2つの方式があります。
両者の違いは”能動勾配に従うかどうか”で変わり、「受動輸送」は濃度勾配に従う輸送方法、「能動輸送」は濃度勾配に逆らう輸送方法です。これは要するにエネルギーを利用するかどうかと関係がありますね。
「受動拡散」の中でも輸送体を使うものに「促進拡散」があります。
受動輸送 | 能動輸送 | |||
---|---|---|---|---|
単純拡散 | 促進拡散 | 一次性能動輸送 | 二次性能動輸送 | |
輸送担体 | ー | ● | ● | ● |
物質の移動 | 濃度勾配に従う | 濃度勾配に逆らう | ||
エネルギー | ー | ー | ● | ● (間接的) |
通過する物質 | ガス 脂溶性物質 | 様々 | 様々 | 様々 |
具体例 | ー | イオンチャネル GLUT | イオンポンプ ABC輸送体 | SLC輸送体 SGLT |