【獣医師国家試験】血液・造血器系〈血液・造血器の構造と機能〉

まとめ

本記事は、獣医師国家試験の出題基準を一から解説しようとする一大プロジェクトの「血液・造血器系」編です。

骨髄

骨髄」は血球形成の場所であり、「細網線維」を埋めるように「造血細胞」が占領しています。

造血が活発に行われている骨髄を「赤色 骨髄」といい、造血機能が低下すると脂肪に一部置換され「黄色 骨髄」となります。この変化は可逆的な変化なので、大量出血や溶血の際には「赤色 骨髄」へと戻ります。

すべての血球細胞は「造血幹細胞」から派生します。

01:赤血球系の分化

「赤血球」系の出発点となるのが「前赤芽球」です。

成熟するにつれて「ヘモグロビン」量が増え、逆に核は小さく濃縮されて消失します。これを「脱核」といい、細胞内のほとんどが「ヘモグロビン」で満たされます。

網状赤血球」は骨髄から血液中へ放出され、細胞質に残った網状構造は数日以内に消失して成熟型の赤血球となります。

Nekoyasiki
Nekoyasiki

「網状赤血球」は正常でも1%程度含まれているけど、貧血時に造血が活発になると増えるよ!
基準値よりも増えていれば”再生性”の貧血といえるね!

造血ホルモンである「エリスロポエチン(EPO)」は、「前赤芽球」への分化を強力に刺激します。

02:白血球系の分化

「白血球」系の出発点となるのが「骨髄 芽球」です。

「骨髄 芽球」は1〜2週間( 7 〜 14日)程度で、
「前 骨髄球」→「骨髄球」→「後 骨髄球」→「杆状核 球」→「分葉核 球」へと分化・成熟し、「杆状核 球」→「分葉核 球」が末梢血に出現します。

「好酸球」と「好塩基球」も同様に「骨髄 芽球」から分化しますが、どの顆粒球に分化するかはサイトカインの種類で変化します。

「好酸球」の増殖・分化には「顆粒球コロニー刺激因子(G – CSF)」が、
「好酸球」の増殖・分化には「インターロイキン – 5」が、
「好塩基球」の増殖・分化 には「インターロイキン – 3」が主として関与しています。

Nekoyasiki
Nekoyasiki

好中球、好酸球、好塩基球には細胞質内に豊富な顆粒があるので、これらの細胞を総称して「顆粒球」と呼ぶよ!

「単球」も「骨髄 芽球」から「単芽球」→「前 単芽球」を経て作られます。

末梢血液中の出てきた「単球」は半日(12時間)ほどで組織の中に入っていき、組織に侵入するとそれぞれの組織における特異的な環境のもとで組織特異的な「マクロファージ」に分化します。

Nekoyasiki
Nekoyasiki

例えば、「クッパー細胞」「肺胞マクロファージ 」「樹状細胞」があるね!

「前 骨髄球」では「一次顆粒(アズール顆粒)」が形成、「骨髄球」では顆粒球によって特異的な「二次(特殊)顆粒」が作られます。いずれも殺菌に関与しています。

Nekoyasiki
Nekoyasiki

アズール顆粒には「ミエロペルオキシダーゼ」「エラスターゼ」「リゾチーム」「デフェンシン」が含まれているよ!

03:リンパ球系の分化

「リンパ球」系の出発点となるのが「リンパ 芽球」です。

「T細胞」は「胸腺」で
「B細胞」「NK細胞」は「骨髄」で分化します。

04:血小板の分化

「血小板」の出発点になるのは「巨核芽球」で、他の芽球に比べて巨大な核が特徴的です。「巨核芽球」から「巨核球」になり、その細胞質がちぎれるようにして「血小板」がつくられます。

Nekoyasiki
Nekoyasiki

細胞分裂を行わないから、DNA量が増えて核が大きくなるんだよ!

赤血球

Nekoyasiki
Nekoyasiki

「血液」は「支持組織」に分類され、直接的な組織の支持はしていないけど、全身の隅々まで運ばれてさまざまな生理作用を仲介しているよ!

この続きをみるには
error: Content is protected !!