本記事は、獣医師国家試験の出題基準を一から解説しようとする一大プロジェクトの第2弾です。

時間がかかるかもしれないけど、精一杯頑張るよ!
上皮組織
上皮は一層から数層のシート構造になっています。
特徴としては基本的に血管がなく、基底膜によって支持組織と隔てられています。このような一般的な上皮を(表在)上皮といいます。
また、一部基底膜を伴って下層の支持組織に貫入して”腺”構造をとる場合は、腺上皮とよばれます。
表在上皮
表在上皮の構成
「表在上皮」は ① 形態 と ② 構造 を同時に持ち合わせています。
「単層 扁平上皮」は物質を交換する場所にあって、「血管」「リンパ管」「肺胞」を内張りしています。
「単層 立方上皮」は「甲状腺」「腎臓(尿細管)」が、「単層 円柱上皮」では「消化管」が典型的ですが、立方と円柱の違いを問われたケースはほとんど無いので厳密に覚える必要はありません。

扁平上皮か、立方・円柱上皮かで考えると良いですよ!
「偽重層 上皮」は一見重層上皮ですが、すべての細胞が基底膜に付着しています。
「移行上皮」は偽重層上皮の一種で、泌尿器系「腎盤」「尿管」「膀胱」「尿道」の上皮を構成しています。
最表層には2核の「被蓋細胞」が覆っており、
それ以外の細胞は上皮の表面には出てこない点も興味深いですね!

移行上皮のおかげで、ある程度の伸縮ができるよ!尿をたくさん貯められるのは移行上皮のおかげなんだね!
「重層 扁平上皮」は角化しているかどうかが重要で、「表皮」だけでなく草食動物の「食道」は角化しています。角化していないケースでは、「”肉食動物”の食道」や「角膜前上皮」があげられます。
重層の立方上皮や円柱上皮は、具体的に「腺の導管」に多く存在しています。重要度は高くありません。

角化すると脱核して角化層が形成されるけど、肉食動物の場合は表層の細胞にも核があるみたいだね!
「線毛上皮」は「気管」「卵管」などの粘膜上皮に多く存在し、「気管」であれば異物を、「卵管」であれば卵子の運搬に寄与しています。
「微絨毛上皮(有縁細胞)」は「消化管」「腎臓(近位尿細管)」「精巣上体管」の3つが代表例として重要です。

線条縁は長さが均一
刷子縁は長さが不揃い
不動毛は長くて筆の穂先のような形
という違いがあるよ!