本記事は、獣医師国家試験の出題基準を一から解説する一大プロジェクトの第9弾です。今回は「物質代謝」がテーマです!
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糖質の代謝

解糖系
代謝名 | 解糖系 |
場所 | あらゆる細胞の細胞質ゾル |
役割 キーワード | 嫌気的代謝 基質レベルのリン酸化によりATP合成 |
「解糖」とは「嫌気的」に「グルコース」を分解しながら「ピルビン酸」→「乳酸」に代謝し、「基質レベルのリン酸化」によりATPを合成する一連の流れを言います。
「基質レベルのリン酸化」とは、高エネルギー化合物(基質)からリン酸をもらってATPが生成されることをいいます。
「解糖系」では2か所で「基質レベルのリン酸化」が起こり、高エネルギー物質である「1,3 – ビスホスホグリセリン酸」と「ホスホエノールピルビン酸(PEP)」が代謝される際に「ATP」が合成されます。

Nekoyasiki
この高エネルギー物質を代謝している酵素が「キナーゼ」だよ!

クエン酸サイクル〈回路〉・電子伝達系
一方で「好気的」な条件下では、「ピルビン酸」は「乳酸」にはならず「クエン酸回路」「電子伝達系」へと進み「酸化的リン酸化」により多量にATPを合成します。
代謝名 | クエン酸回路(TCA回路) |
場所 | ミトコンドリア(一部 内膜) |
役割 キーワード | 「NADH・FADH2」の産生 |
簡潔に説明すると、
「クエン酸回路」では8つの酵素反応により「アセチルCoA」を「二酸化炭素」に酸化し、補酵素「NAD+・FAD」を「NADH・FADH2」に還元しています。
代謝名 | 電子伝達系 |
場所 | ミトコンドリア 内膜(クリステ) |
役割 キーワード | 「NADH・FADH2」を利用 酸化的リン酸化によるATPの産生 |
このようにして作られた還元剤「NADH・FADH2」は「電子伝達系」にて”酸化”され、それにより生じたエネルギーで多量のATPが作られます。この過程を「酸化的リン酸化」といいます。

Nekoyasiki
還元剤(還元当量)は酸化されて、相手(酸素)に電子を与えるんだよ!
与えられた電子は5つの「複合体」に伝達されながらATPが生まれるよ。
まさしく電子伝達系だよね!!!