子牛の消化管感染症に関する記述として正しいのはどれか。

過去問

75回 B問題 問7

難易度:並

子牛の消化管感染症に関する記述として正しいのはどれか。
  1. 牛コロナウイルス病の重度感染期に腸絨毛の短縮と軽度の大腸炎がみられる。
  2. 牛のロタウイルス感染症では出血性の大腸炎がみられる。
  3. 牛アデノウイルス病では小腸に限局する絨毛先端部の壊死がみられる。
  4. 腸管毒素原性大腸菌による腸炎では潰瘍を伴う出血性腸炎がみられる。
  5. クリプトスポリジウム症では小腸上皮表面の微絨毛に限局して原虫が寄生する。

1.a, b 2.a, e 3.b, c 4.c, d 5.d, e


選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
牛コロナウイルス病の重度感染期に腸絨毛の短縮と軽度の大腸炎がみられる。

重要度:☆☆☆
牛のロタウイルス感染症では出血性の大腸炎がみられない

ロタウイルス感染症において、”出血性”の下痢ではなく、”水様性”下痢であり小腸に限局しています。

重要度:☆☆☆
牛のロタウイルス病では小腸に限局する絨毛先端部の壊死がみられる。

小腸に限局というのがポイントです。

牛のコロナウイルスでは大腸(結腸)にも病変をつくるため、両者の鑑別点となります。ちなみにロタウイルスはレオウイルスの仲間です。

牛アデノウイルスは消化器症状だけでなく呼吸器症状もおこる可能性があります。両染性核内封入体が検出できること、日本では「7型」の被害が多いことは覚えておきましょう!

重要度:☆☆☆
腸管毒素原性大腸菌(ETEC)による腸炎では特異的変化はない

重要度:☆☆☆
クリプトスポリジウム症では小腸上皮表面の”微”絨毛に限局して原虫が寄生する。

牛コクシジウム症では、絨毛の陰窩に寄生します。そのため出血性の下痢となります。

参考

動物の感染症(第三版)

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