75回 B問題 問6
難易度:並
犬の皮膚肥満細胞腫に関する記述として正しいのはどれか。
- グレード分類の I では細胞質内顆粒の減少が著しい腫瘍細胞が多数みられる。
- 腫瘍組織内にしばしば膠原線維の変性がみられる。
- 罹患犬に血液凝固時間の延長をみることがある。
- 組織学的に高分化型、低分化型、組織球様に分類される。
- 表皮内にポトリエ(Pautrier)の微小膿瘍を形成する。
1.a, b 2.a, e 3.b, c 4.c, d 5.d, e
選択肢を吟味しよう!
重要度:☆☆☆
グレード分類の I では細胞質内顆粒が著しい腫瘍細胞が多数みられる。
グレードが進むと、分化度は低下していきます。

Nekoyasiki
分化度は細胞の成長の程度を表しているので、高分化度は成熟した大人の細胞ということになりますね!
当然、成熟している肥満細胞は顆粒を多く持っているので、特にグレードの低い高分化度の肥満細胞腫でも顆粒を比較的多くもっています。
重要度:☆☆☆
腫瘍組織内にしばしば膠原線維の変性がみられる。
重要度:☆☆☆
罹患犬に血液凝固時間の延長をみることがある。
細胞内顆粒のひとつに「ヘパリン」があります。ヘパリンの作用によって、血液凝固時間の延長は想定されますよね!
重要度:☆☆☆組織学的に高分化型、低分化型、組織球様に分類される。
組織学的なグレードは3段階に分かれています。グレードは3が最も悪性度が高いです。
重要度:☆☆☆表皮内にポトリエ(Pautrier)の微小膿瘍を形成する。
ポトリエ(Pautrier)の微小膿瘍は、表皮内に異型のリンパ球が集族することにより形成します。皮膚型のリンパ腫で生じる特徴だと思います。
肥満細胞腫では「ダリエ徴候」に注意しましょう!