75回 B問題 問33
難易度:易
選択肢を吟味しよう!
解答のポイント:
疫学研究の目的の一つとして「因果関係」があります。因果関係はいくつかのポイントで評価することができます。
重要度:☆
関連の時間性
原因のあとに結果があることは当然ですが、原因の暴露から結果までの時間が妥当である必要があります。
重要度:☆☆☆
関連の強固性
喫煙と肺がんとの関連を例に考えます。
相対リスクが増大は、喫煙により肺ガンが”より”起こりやすいことを意味しています。すなわち強固性が高まっていますよね
重要度:☆
関連の一致性
異なった母集団や、研究手法でも同じ関連性が認められば、因果関係の一致性は高まります。
重要度:☆
関連の整合性
これまでの科学的な根拠と矛盾していないと、関連の整合性は高くなりますね。
重要度:☆
関連の特異性
特定の原因によって、特異的な結果を引き起こす場合は、関連の特異性は高まります。
加えて「量反応関係」というのがあります。原因の曝露量が増加することにより結果のリスクが増えることをいいます。
相関関係があれば、因果関係は成り立つの?
結論:絶対に成り立つわけではありません!
例えばアイスの販売量と熱中症リスクには正の相関があると考えましょう。因果関係が”ある”とすれば、アイスが売れたから熱中症になったということになります。違いますよね。おそらく、外気温が高かったのでしょう。
この例では、相関関係はあったが、因果関係はないことになります。
以上のように、必ずしも「相関関係がある → 因果関係もある!」ということではありません!しかし因果関係があれば、そこには相関関係があります。ちなみにですが、この相関関係において「外気温が高かった」ことはアイスの販売量と熱中症のいずれにも相関関係があるため、交絡因子となっています。